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属に言う帰宅部の平均的活動
もうひとりの姉弟と晩御飯の改造の優先権
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺は、学校をでてから全力疾走している、桜田をおいかけていた。
何故か、冴子と神有彩も並んで全力疾走している。
(は・・・・速い!奴ら・・・何処からあんな力が・・!)

三丁目のタバコ屋の、角を抜け商店街を出る。
前の方で桜田の声が聞こえた。
「おい!浦沢の家までまだまだだぞ!どうにかしろ!神有彩!」
神有彩が、パソコンを取り出し、かたかたとキーワードを叩く。
「・・・今、知り合いの暴走族に連絡をつけた。・・ここ、まっすぐ進んだら・・・いる」
「よっしゃぁぁぁぁ!」
(なにぃっ!暴走族!?あいつ・・・過去に何が・・・!)
でも、考える間もなく、バイクの音が聞こえだした。

・・・キキィッ!

族の頭らしき男が、神有彩に近づく。
バイクは、何台もあるらしく光で見えなかった。
桜田は落ち着いていたが、冴子は呆然と立ち尽くしていた。
「・・・ご苦労」
神有彩がそういうと、頭は首を降って答えた。
「お嬢の頼みだ・・・それにあんたには仮がある」
「・・・そう」
そう答えると、神有彩は乗りにくそうなバイクに跨がった。
神有彩が手で合図するが、桜田しか乗らなかった。
冴子は、さすがに少しびびっていて乗るのをためらっていた。
そんな、冴子に頭の男がゆっくり近づき、話しかける
「お嬢さん。神有彩嬢さんの知り合いだな?大丈夫だ。俺達はその辺の暴走族じゃない。ある程度の知識は弁えてる。死んでもあんたを無事に送り届けるぜ」
そういわれて、渋々冴子は頷いた。
冴子がバイクの後ろに跨がると。暴走族の頭は叫んだ。
「いいか!お嬢の知り合いが乗ってる以上、いつも通りの走りはできねえ。しかも、お嬢を追ってる相手は残虐非道のテロリストだ!」
(誰がだよ!誰が!!)
走りながら驚く。
「今から発射する!お嬢!その他の方々!しっかり捕まってろよ!」
バルン・・・ババババ・・・
「発射!」
その合図とともに、バイクは走り出す。

やっとのことで、バイクが、止まっていた所に着くと、自然と何故か見慣れた景色になっていた。
というか・・・
「俺ん家の真ん前だっつーの・・・」
どうやら俺の家の前にすぐ来ていたのに、気がつかなかったようだ。
(馬鹿か・・・?)
心のなかで、呟くが・・まぁ、何はともあれ・・・

来なくて良かった・・・



「ただいまー」
そう言って、玄関を抜けて、リビングに顔を出す。

プーン・・・

鼻をつくニオイが立ち込めた。
(こっ・・・このニオイは・・・!)
キッチンに、顔を出す。 エプロンをした、女の人が立っている。
「姉ちゃん!!」
叫ぶと、髪を二つに結った姉ちゃんが振り返る。 ・・・目に、涙を溜めながら。
「・・・さとるちゃぁぁぁん!」
「うぉっ!」
横に避ける。
ガッ・・と、壁に何か突き刺さる。
「あぶねーだろ!姉ちゃん!」
包丁が突き刺ささっている。
「(ちっ・・・・)ご・・・ごめんね?さとる君・・・」
包丁をおいて、手を前に組む。
「まぁ、いいよ。今日は、カレーだったな、上手くできたか?」
「(はぁ?出来たに決まってんだろ?ナメとんのか?)う・・・うん。まあまあ・・・かな」
指を頬に当てながら、照れ隠しに笑う。
(こいつ・・・)
とりあえず、言うべき事を言っておく。
「どうでもいいけどよ、姉ちゃん・・・」
「(黙れ、クソガキ)なあに?何かある?」
「・・・心んなかでなんか言うのやめろや」
「(!?気づいてやがったのか・・さすがあたしの弟なだけあるぜ・・・)そ・・・そうね。ごめんねっ☆」
白い目で姉を見る。
「(ちっ・・・もうこいつの前ではこのキャラはとおらねえな・・・)だぁかぁらぁ・・・ごめんねってば〜」
申し訳なさそうに、頭を下げる。

(まあ・・・もう、姉ちゃんの心の声が聞こえないだけましか・・・)
と思い、部屋に向かおうとしていると。

・・・ピンポーン

インターホンだ。
(まさか・・・)
嫌な予感。
「さとる君。ごめんね。出てきて?」
(今、多分さっさと行けって思ったな・・)
後ろめたくなったが、とりあえず出る。
「早くでろー!浦沢ーっ!」
明らかに桜田の声だ。
がちゃりと扉を開ける。

神有彩は、いつも通りだったが、桜田は服がアロハシャツに変わっていた。
冴子は、桜田におんぶされて、眠っている。・・失禁しながら
「やっぱり寄るんすか?」
一応聞く。
「よるに決まってんだろぁぁ!」
泣きながら叫ぶ。

「ちょっとぉ〜誰?」
姉ちゃんが出てくる。
桜田のかおをみた瞬間、ちょっとびっくりした顔をして、玄関にくる。
「キミ、さとる君のしりあい?」
「はいっ!でも、いまから、お姉さんの知り合いにもなりましたっ!」
「ふふ・・・おもしろい子」
ニコニコしながら、桜田を見る。
(ぜってえ。心で、なんか考えてる)
そう思っていると、神有彩がまえにでた。
「お姉さんですか?浦沢さとる君の。」
「ええ、私がさとるちゃんのお姉さんよ」
胸を張る。
「お姉さん、今日私達は、部長に連れられて、真にふっつかながら、お宅の絶品のカレーをいただきにきました。真に勝手ながらお願い出来ますか?」
うーんと、顎に手を当てて考え、ニッコリ笑う。 「わかった。おいで。」
(マジかよ!!)
うぉぉぉぉぉと、言った表情で姉ちゃんを見る。

「ちーっす・・・」
桜田が静かに乗り込んでくる。
神有彩も頭を下げて、上がってきた。
姉ちゃんに話しかけて、聞きたかったことを思い切って確認する。
「姉ちゃん・・・」
「ん?なあに?」
「姉ちゃんの事だから、なんか裏でおもってんのかも知れないけど、あの人達を悪く言うなよ」
一応釘を指しておく。
しかし・・・
「うん、わかってる。それに、私が文句付けるのは、さとる君だけだから、心配しないで」
「ああ・・・そうか・・・俺だけか・・・そうか・・・」
ホッと胸を撫で下ろす。
て、ゆーか・・
(安心して、いいのだろうか・・・なんか、物凄く間違ってる気がする)
心が、みょうに引っ掛かったが、流されるようにその場を抜け出した。


キッチンに戻ると、桜田が神有彩とカレーの鍋の前で話している。
「前さ、あったよね。ヒ素入り・・・なんとかって」
「・・・かなり、昔」

「本物の前で、そういう話をするのをやめてくれ・・・」
二人の間に割って入る。
「あ・・・浦」
神有彩が、気づいたように声を出す。
「浦ちゃんよ、あんな綺麗な姉ちゃんがこんなカレー作るんだな!いい意味で」
「えぇ・・・まあね」
姉ちゃんの本性を知らないのだろう。
・・・愚かなきゃつめ・・

心の中で呟く。

その姉ちゃんは、寝ている(失禁している)冴子のうえに布団をかけている所だった。

「桜田さん。いいんですか?冴子ちゃんほっといて・・・」

「ねえ、マッシュルーム入れる?さっき、知らない外人に貰ったんだけど・・・」
「・・・いいね」

「話を聞けぇぇぇええ!」
得体の知れないキノコを入れようとする、二人を止める。

「えーっやだー。浦ちゃん、ちょっと、ふきげーん」
「・・・ね」

「二人で、コントをするのをやめろ・・・」
脱力感におそわれながら、ツッこむ。

「なんだよ・・・神有彩まで・・・」
「・・・ごめん」
頭を下げて、落ち込む俺の頭を撫でながら謝っている神有彩。

そんな俺を無視して桜田は姉ちゃんとなんか話していた。
「お姉さん、あのカレー。更においしくする事僕には出来ますよ」
「へえ、じゃあお願いしようかな。桜田君に」
「あ、名前・・・なんで」
「さっき、キッチンで聞こえたのよ。神有彩ちゃんも、よろしくね。美味しくしてちょうだい」
神有彩を見て微笑みながら、言う。
少し、頬を赤らめながら 頷く神有彩。

俺の心の声は届くことなく、今晩のカレーの改良がこうして始まった。





冴子以外の全員でキッチンに集まる。
「まずは、俺。桜田の材料をみてくれ。さっきの暴走族に連れられて、チャイナタウンに行った時にもらった材料だ」
袋から、真っ白いキノコを取り出す。
「まず。これを入れてみたいんだが・・・」
「駄目だ」
速答する。
「なんでだよぉ・・・」
「桜田さん。おかしいと思いませんか?そのキノコ・・・普通」
「大丈夫だって、そのおじさん血流してたけどいい人そうだったし」
「血、流してた時点でやばいだろ!」
何処の密猟者だよ・・・ 「おまけに、このキノコ食べると、夢の国にいけるって・・・」
「どういう意味だよそれは・・・」
恐ろしくなる半面呆れた。
そんななか、姉ちゃんが話に割って入ってきた。
「それ、面白そうね」
「姉ちゃん!?」
「だって、私のやったゲームでキノコ食べたおじさんが・・」
「・・・大きくなるんだろ?」
「うん・・・・その・・・アレが」
「アレが!?」
「まあ、それはともかく・・・」
上手くまとめやがった。

「面白そうなんじゃないかなって・・・」
うんと、桜田が頷く。
「そうですよね、お姉さん」
そういって、得体の知れないキノコをカレーに入れた。
あーあ、しーらね。
ほかのみんなは何故か、期待に満ちた目で鍋を見つめている。
「ちなみに・・・何て、いうキノコっすか?」
「ん?なんか・・・マジカル・・・マッシュルームだったっけ?」
「やばいよ!それ!」
「・・・?」
みんな、よくわからなそうな顔をしていたが、俺は知っている。
このキノコのヤバさを。
「いい?さっきのキノコは、マジカルマッシュルームって言って、毒キノコなの!」
簡潔にわかりやすく、説明する。
・・・しかし

「えー、大丈夫ですよね、お姉さん」
「うん。大丈夫大丈夫。」
「・・・大丈V」
神有彩も何故かノっていた。
「だいたい、嘘臭くないですか?」
「うんうん、なんだかんだ言って、大丈夫だって。」
「・・・V」
(ああ・・・頼む。この馬鹿な人達に、この真実をわからせてあげられないだろうか・・・)
心から願ったが、どうやら届きそうになかった。
桜田はそのほかにも、ホワイトチョコレート。澱粉ノリ。飛行石。ドラゴンボールを入れた。

正直、怪しかったがその怪しいものが入る程、ギャラリーのテンションが上がっていった。


そして、神有彩のターン。
「私、桜田さんよりは、まし・・・」
そういって、茶色の小ビンを取り出した。
「なんだ・・・これ?」
恐る恐る聞く。
「トロサナ・・・じゃなくて・・・」
しばらく考える
「・・・粉」
「何の粉だーー!!」
さすがのギャラリーも一緒に、ツッこんだ

そんな俺達を無視して、神有彩はいろんな物を入れた。
(いじけたのか・・・・)

その感情は、入れる物に現れていた。

・・・よくわからなかったが、唯一わかったものがある。
ちらりとしか見えなかったが、かろうじて確認出来たそれは、ひとがたをしていた。
「・・・マンドラゴラ」
一瞬そんな言葉が聞こえたが、きのせいだろう。

・・・きのせいだ!

その後、一時間煮込み続けて、鍋を開ける。
「これが・・・・」
姉ちゃんが、震えながら桜田に聞く。
自信いっぱいに頷き桜田は答える。
「俺達の友情のカレーです」
沈黙がながれた。
さすがの姉ちゃんも苦笑い。

皿に、ご飯とカレーをのせる。
そこで、あることに気づく。
「桜田さん・・・」
「なんだ?」
「ご飯が青くなってきてません?」
「・・・きのせいだろ」
そう言って、リビングに戻る。


苦笑いの姉ちゃん。
無表情の神有彩。
高笑いをあげる桜田。
無言の俺。

一番安らかな顔で寝息を立てている冴子。



「さあ、皆さん。手を合わせて」
桜田がいった通り、手を合わせる。
(父さん、母さん僕を産んでくれてありがとう・・・・)
遺言を胸に、俺も手を合わせた。
「じゃ、いただきます」
「いただきます」
みんなで一気に口に運ぶ。

次の瞬間、口から光線がでた。
目から、真っ黒い液体が滝のように出てくる。
(やっぱりねーっ!)
心で、叫び俺は気を失った。

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あきゅろす。
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