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属に言う帰宅部の平均的活動
現代マンガに対する反感と理屈と言う名の壁
それは、突然の事だった。
いつも通り部室でUNOを同期の、冴子としていたときのこと。


部長が、急に言い出した。
「最近の、マンガはどうなっておるのだ」
・・・と。

冴子のターンになったので、取りあえず返答はする。
「なんすか?唐突に・・・」
すると、部長が手にもっていた、本を俺に手渡す。
「読め」
「今、UNOしてるんであとででいいっすか?」
「・・・UNOよりも重要だ」
珍しく、真面目だったのでこちらも真面目に返答する。
冴子に、続きはまたあとですることを伝え、こちらに集中する。
「・・・で、なんですかな・・・」
渡されたマンガを手にする。

マンガでは、目のでかい女が、集団でパフェを食べている。
そして、日常会話をしていた。

「・・・なんすか。普通のマンガっぽいっすけど・・・」
すると、部長は驚いたように声を出した
「お前にはこれが普通のマンガに見えるのか!?」
「え・・・普通じゃないんすか?今の時代・・・」
「何ぃぃ!・・おい!冴子!」
カードをしまっている小さな手が止まる。
びっくりしたようなめでこちらを見つめている。
「な・・・なあに?お兄ちゃん・・」
「冴子も、これを見ろ!」
冴子にも、持っていたマンガを見せる。
「え?なあに?これ・・・・・はぅうっ!?」
奇声をあげて、本を放り投げた。
そのあとは、顔を真っ赤にして、頬を隠していた。
落ちている本をひろいあげ、冴子がみたページを開く。

俺らぐらいの年代の女の子が、大股を広げ・・・

「そりゃ、さけぶわな・・・」
本を閉じて、桜田に渡す。
「・・・で、どうだった?冴子」
「すごく・・・えっち・・でした・・」
「何!?エロかったとな!?」
さらに意味がわからんように、頭を抱えた。
取りあえず、事情を説明する
「仕方ないですよ・・・冴子ちゃん見たのは、それなりのシーンだったから」
「それなりに・・・?」
ページをパラパラとめくる。
そして一つのページで止まる。
「ああ、ここね・・・」
俺に見せびらかす。
「見せびらかさないで下さい ・・・」
ページから目線を冴子へ移す
真っ赤になりながら、ぶつぶつ何か言っている。
「えっち・・・見ちゃった・・・えっちな事・・いけないことなのに・・・」
(・・・こりゃ深刻だな・・・)
横目で見ながら思った。
純粋な女の子にこんなもの見せる兄貴か・・・最低だな・・・

すると、つぎのぺージをめくり言う。
「あ、パフェ食ってる」
「まじっすか!?」
すると次はそのページを見せてくる。
「・・・ってそこ、はじめ俺が開いたページじゃないっすか!?」
「あ・・・ホントだ」
「てか、なんでエロシーンからパフェ食ってるシーンがとつぜんでてきちゃったんですか!?」
・・・全く・・・どんなマンガだよ。
不条理にも程があるぞ・・・

「・・・で、お前としてはどう思う。最近のマンガは」
「うーん・・さっきのマンガ意外だったらいいと思いますよ。確かに最近じゃ、いろんなマンガが流行ってますね。ジャンプとかマガジンとかから。色々ありますけど・・・まあ。あんまりくわしくないんでなんともいえませんがね・・」
俺はジャンプとかでは買わない。
単行本があるからな。
でも、なんで急にそんな話をしたのだろう・・・
俺は首を傾げるしか出来なかった。


「こんな物があるから、反逆心がうまれるのだ!そこで俺は思った。今、我々に必要とされているマンガとは何なのか・・・と」
「・・・・はぁ」
ほかにすることは、無いのだろうか。
でも、俺はそんな桜田に流されるのか?
・・・流されるのだろう。








「さあ、話を始めよう」
北側に桜田。
西側に神有彩。
南に俺。
東に冴子。
・・・それっぽい感じになってきた。
「はい」
冴子が手を挙げる。
「おー、冴子。何だ?」
(・・議長。タメ口はダメだろう。家族でも・・・)
「はい。個人的に思います。お兄ちゃんがえっちなマンガをもっていることはともかく、最近のマンガは、なんだかんだ言って、ほのぼの系が流行っていると思います。」
桜田が、指で合図した。
すると今まで黙っていた、神有彩が急にパソコンのキーワードを忙しく叩き始めた。
そして、部長にアイコンタクトをとる。
部長がゆっくり頷いた。
(なんか喋れよ・・・)
すると、神有彩が画面を見ながら話しはじめる。
「最近、ほのぼのマンガは、増加傾向にあります。さらに、このジャンルはほとんど、四コマで表される。マンガの具体的な例として、(らき・・)とか、(ひだまり・・・・)、さらに、(けい・・!)があります。」
解りやすい説明だった。 「とのことだ。何か質問はあるか?・・・・。・・・・。・・・されても困りますが。」
「おにいちゃ・・・部長。マイナーなゲームのパロディーはどうでもいいですので、実際にそのマンガをこちらに用意してありますからこっちを読んでみて下さい」
冴子はどこかから、そのマンガとやらをだしてきて兄貴のまえに置いた。
(・・・随分手回しがいいな)
「なんだ、随分手回しがいいじゃないか」
俺とおんなじことを聞いていた。
「いや・・・これでも侵入部員だから」
照れたように、頭をかいた。
そして、俺達はそれに手を付ける。

薄くてそのわりに、値段が高い本。
(こんなの、エロ本とかわんねえじゃねえか・・・・)
値段と薄さを見て、突如に思った。

どれどれ・・・


魔法少女が、(リンリンパワー!チャージアップ!)とか言って、一般人の首をかっ切っている。

「何処が、ほのぼのだよ!」
思わず叫んでしまった。
冴子が「わぁぁあー」とか言って、俺がたたき付けた本を拾っている。
「落ち着いて下さい。浦沢君。これは、たまたまこういうマンガだっただけですよ」
「だって、冴子ちゃん!あんた、一般人が魔法少女に・・・・!!」
「それは。たまたまですって・・・」
「ああ、そうか・・・たまたまか・・そうか」
自分に言い聞かせるように、本を受け取った。
「うぉぉぉぉぉ!冴子!これが、現代の集大成なのか!?これが、今の俺達の国の真実なのか?!?!」
こちらを向いて叫ぶ桜田。
「お兄ちゃん・・・それ、音楽の・・・バンドのマンガだよ・・・。それで、私たちの国の何がわかるって言うの?」
「わかんねぇよ!なにもな!あぁ!わかんねえさ!なにもな!!あぁ!わかんねぇともさ!あぁ!なにもかもな!!ぁあ!・・・」
「ストップ。」
神有彩が、手で部長のくちを押さえる。
「うるさい・・・・メッ!」
指で唇を押さえられて制された。
「はぁ〜い・・・」
なんか、嬉しそうだった。







そして二時間の激論の末の結論。


「おれはな・・・カレーライスが大好きやねん」



ホワイトボードにかかれた、そのもじを俺達は見つめている。
「浦沢君。私達頑張りましたよね。」
冴子が言う。
「ああ、ものすごくな」
「そう・・・ですよね」
途方にくれる俺達の前で、桜田が自信満々に言う。
「じゃ、カレーライス作ろっか。」
「まてまてまてまてまて!!」
一気にいろんな物が爆発した。
「まつ」
「桜田さん。よく聞いてくれ。俺達はあの時、四コマで起承転結を現せるなんて凄いよね、って話をしてたんだ。」
「うん。知ってる」
「そんな中、あなたはこう言った、(カレーライスみたいだ)って」
「ああ、言った」
素直に傾く。
「そして。俺達は疑問に思った。そしてそれを聞いた。(なんでカレーライスなんだ?)って、そしたら、あんたは(カレーは、一つのルーを作るのにいろんなスパイスが使われている。ただでさえそれだけで莫大な量の物が使われているのに、そのあと、野菜や肉を入れて一つの一品になる。だから、これをマンガにおきかえて考えてみるんだな。すると、四コマでそれだけの量を、まとめることがどれだけ大変かわかってくるだろう)って。」
「うん。言った」
「そして俺達は思った。よくわからんけど、すげえって。そして・・・それをあんたは・・・こういう形で、表してくれた。そうだな?」
「・・・ああ。」
理屈なんて、難しいことを考えれば考えるほど、わからなくなる。

そう実感した。


「・・・・はぁ、もういいっすよ。」
頭を抱えながら、部長を見る。
・・・満足そうだった。


取りあえず今日の所は無事微妙な結論で終わるようだった。

「んじゃ俺、帰ります。そろそろ。」
「えー、もう?UNOしない?」
冴子が残念そうに言う。
「悪いな、冴子ちゃん。明日やろうな」
そう言うと、素直に頷いた。
「じゃ。部長、さいなら」
そういって、部屋をでる。



・・・つもりだった。
「まて、浦沢」
「はい?」


・・・それは突然の事だった。
「お前んち、今日カレーライスだな?」
「・・・えっ?どうしてわかったんすか?」
どんぴしゃだった。
「おまけに、お前の姉ちゃんの作ったカレーだ」
「・・・・なんで姉ちゃんのこと知ってんすか?」
驚く。どっから仕入れたんだ?そんな情報。
「よぉし、みんな。聞け!」
女性陣が部長を見る。
「今から浦沢ん家にいく!ついてこい!」
「おー!」

「ちょっとまてぇぇぇええ!!」
叫びも虚しく、俺はこの三人を家に呼ぶ事になったのである・・・

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