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属に言う帰宅部の平均的活動
新しい事を始めるための努力とそれに対しての見解
「なぁ・・・」
桜田が話し掛けてくる
「・・・なんすか」
「俺達・・・なにやってんだろうな・・・」
股間を押さえながら、言った。
「だいたい桜田さんが、チチ揉ませろとか言うからこんな事になるんですよ・・・」
「なんでだ!俺はただ彼女が欲しかっただけなのに!」
「仮にそうだったとしても、いきなりチチ揉ませろはないでしょう・・・・」

あのあと、彼女から一発股間にけりを喰らった桜田は、俺と体育館裏を歩いていた。
日はもうすぐ暮れかけている。
「桜田さん。俺、思うんですけど今日はもうやめて置いた方が良いと思うんです。明日また作戦を練って、やり直しましょう。俺も考えてきますから」
宥めるように、言った。
「そうだな、俺も妹に相談してみるか・・・」
「へぇ・・妹いるんですか」
意外だった。
こんな、変な人の妹だから、逆に気になったのかもしれない
「あぁ、たしか・・・お前らと同じなんじゃなかったっけか・・・年代。」
「へえ・・・何高校っすか?」
「うん、それがさ。あいつ頭いいのにこの高校はいったんだよな。」
「え・・・」
「だから、あいつこの、(龕兒山高校)入ったんだよ。クラスは確か・・・一年一組だった気が・・・」
「それ、俺のクラスです」
「へえ・・・クラスも同じか」
桜田が驚いたように言った。
ホントは俺のほうが驚きだった。
この・・・変な人の妹が・・・俺のクラスに・・・

でも、怪しい動きをした人は見かけなかった。
少なくとも、この人よりはましなのかも知れない。
それに、同じクラスでも女子が多い。
彼女達と話す機会はあまりないのでもしかしたら、三年間話さないで終わるかもしれない。
だから、余り気にはしなかった。
「ま、それはそれとして今日は、解散しよう。考えても無駄だからな」
「ええ、それじゃ俺は部室に荷物取りに行ってきます」
「おう、じゃあな」
桜田と別れ部室にもどる。


「ちーっす・・」
部室に入り、机を見ると紙の山が一つおいてあった。
その先に、神有彩がカメレオンの縫いぐるみと得体のしれない物体の縫いぐるみを戦わせていた。
俺の視線に気づいたのか、戦わせるのを止める。
「・・・ちっす」
そう答えた。
「おまえな、カメレオンはわかるぞ?でも、もう片方は何だ?」
茶色で、緑の斑点がついて、ひらべったい。
何だ・・・何なんだ・・・?これは・・
すると神有彩が、一言。
「・・・ウミウシ」
「・・マジかよ」
まぁ、最近の女はウミウシとかそういうのにキョーミがあるのかも・・・・案外そんなことが・・・


・・・・無いな。
「それより、よく作ったな。こんなに。しかも短時間で・・・」
戦わせるのをやめて、こっちを見る
「こんなの・・・30分で出来た」
俺達は2時間くらい走り回っていたと言うのにこいつは・・・
羨ましかった。
「お前、頭いいんだな。しかもIT関係もカバーしてるときた。・・・うらやましいよ。つくづくな」
すると、少し間を空けてこう言った
「余り、私を羨まないで。・・自分を見て欲しい。他人を羨むって事は、自分を否定することだから・・・」
真面目な目でそう説いた。
「あ・・・ああ、わかったよ」
始めは意味は解らなかったが、後々これが彼女なりの優しさだと気づいた。

自分に自信を持て。

と言うことだろう。
しかし彼女の顔は浮かないままだった。
その場に居心地の悪さを感じた俺は、神有彩に別れを告げ教室を後にした。





家に着くと、愛犬(ショットラー・クロード)が出迎えてくれた。
そのまま部屋に直行する。

机に座り考えた。
(勧誘するにはどうすりゃ良いのか・・・)
しばらく考えても浮かばなかったので、とりあえず、部屋からでた。
すると、階段を上がってくる一つの影があった。
そいつが話しかけてくる。
「兄ちゃんは、良いよな。運動部じゃねえから帰りが早くてよ」
「悪かったな、啄武。お前がいまやってる事は、俺は昔経験したのだ・・・」
「・・・ちぇ・・」
舌打ちをして部屋に入って行った。
奴は、弟。
浦沢 啄武。
中学校ニ年生。
特技、サッカー。




まぁ、そんなものだろう。
俺にとっちゃ、サッカーなんて遠い思い出だからな・・・
(・・・一応聞いてみるか)
啄武の部屋をノックして開ける。
「あいよー」
返事が聞こえたので、入る。
「相変わらずきったねえ部屋だな」
「そんなことを言うためにここにきたのか?あんたは」
「いや、本題はちっと違うな」
ジャージに着替えている啄武を横目に、話す。
「長くなるなら勘弁してくれ。風呂入ってくるからな」
「ああ、手短に話す。お前、新入部員集めるのにどうやった?」
「はあ?兄ちゃん一年生だろ?なんでそんなこと聞くんだ?」
寝巻であるジャージを、片手に、俺を疑問に満ちた目で見つめている。
「いや・・・詳しいことは聞くな」
「そうか、ならいい」
案外さっぱりしているから、話題を切替易い。
「えっと、部員集め?う〜ん。・・・俺達の部活ってサッカーだから、結構何もしなくても自然と入って来るんだよね」
「そうか・・・そうだよな」
俺の時もそうだった。
自然と、部員が入ってくるからあの時のおれは、嬉しかった。
純粋な嬉しさではない。
・・・・

思い出したく無いような記憶を思い出し、気分が害された。

「兄ちゃん、俺は力に慣れないけど、お姉ちゃんなら知ってるかもだぜ」
「ああ、そうか、姉様がいたか」
手をうつ。
「じゃ、俺風呂入ってくるから」
「風呂は沸いてないぞ?」
「大丈夫、自分でやるから」
そういって、部屋をでていった。
(うぬ・・・なかなかできた弟だの)
心の中でつぶやいて、俺も自分の部屋に戻る事にした。

夜の12時。
「おせえなぁ・・・」
と、つぶやいてみる。
姉ちゃんはまだ帰って来てなかった。
まあ・・・仕方ないか三人の生活を賄ってるんだ。
遅くても、何も言えるわけがない。
それに、自分なりの気遣いとして姉貴にはあんまり迷惑はかけたくなかったので、その日は姉貴には話し掛けなかった。



・・・と言っても姉貴が帰ってくるのはさらに夜遅くだったので、会う機会がなかっただけだ。







翌日。
部室に行って見ると、見知らぬ女の子が桜田の隣に座っていた。
気になって聞いてみる。
「だれすか?この人」
桜田が胸を張って答える。
「紹介しよう。侵入部員だ」
「・・・ってみつかったんすか?」
「ああ。すんなりとな。」
まあ・・・何て言うんだろう。
昨日の俺の頑張りは何だったんだろう。
そう、今考えると馬鹿みたいに頑張っていた俺が馬鹿みたいだった。
・・・言葉が変だが、まあいい。
「取りあえず、みつかったんで良かったです。」
「ああ。ほら自己紹介しろ」
(やけに、タメ口だな・・・)
そう思いつつ、女の子の自己紹介をまつ。
どこか、ロリっとしたオーラが漂っていた。
悪くない意味で、子供っぽかった。
「あ・・・あの、桜田 冴子っていいます。よ・・よろしくお願いします・・」
(ん・・・?)
疑問が浮かび上がる・・・
「と、いうわけで、俺の妹だ」
「なんでだぁぁぁぁぁあ!」
机から身を乗り出して叫んでしまった。
「相談ってそういうことかよ!桜田さん!」
「え?マジ?なんか怒ってるんですけど〜?」
「ギャル語を使うなぁ!」


「あ・・あの」
彼女が割って入る。
「なんすか!」
「私・・・なんか間違ってますよね?」
顎に指を当てて言う
「・・・はぁ」
頭のネジがぶっ飛びそうだった。









今日の収穫。
侵入部員追加。
桜田 冴子
職業、学生。
比較的一般人。
ただ、変人の妹。


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