[携帯モード] [URL送信]

属に言う帰宅部の平均的活動
侵入部員
俺はいつもの場所に向かった。
もう、日常となりつつある生活。

だらだらとすごしてはいたが、俺には充実した日常であった。



扉を開けると、神有彩がカメレオンの縫いぐるみの、手を挙げたり下げたりして、遊んでいた。
「・・・ねぇ、楽しい?」
俺の、存在に気づいたのか、神有彩がこちらを向いた。
「・・・はろー」
縫いぐるみの右手を挙げながら、言う。
「ああ、ハロー」
「・・・・はろー・・」
「・・・どうした?」
しばらく考えて、言葉を繋ぐ。
「良い。・・・はろー」
「・・・そ・・・そうだな」
イマイチ、よくわからなかったので考えながら言う。
「しかし・・・部長はまだか?」
「まだだ・・・」
「そうか・・・」
そういうと、彼女はまた縫いぐるみで、遊びだす。
しばらく待つと、桜田がきた。
「・・・ちっす」
「・・・」
俺を無視して、定位置に座る。
そして、一言。
「部員をもっと集めなきゃならん」
と、石原裕次郎のような声で言う。
「はぁ・・・」
一年生の俺が言うのも何だが、このままでは部活としてやばいだろうと、思う。
(何たって三人だぞ・・・?)
「そこでだ、俺は考えた。もっと部員を増やしたい」
そらそうでしょうよ。
「俺としては」
俺もだよ。
「そこでだ、お前もついてこい」
「なんでだよ!!」
おもいっきり、叫んでしまった。
「え?だってお前侵入部員とか好きそうだし・・・」
「俺が、元々新入部員なんですよ!」
「お前が、言ってるのは新入部員だろ?俺が言ってるのは侵入部員だ」
「はぁ?!」
声が裏返る。

そんな俺達に目もくれず、神有彩はカメレオンの縫いぐるみで遊んでいた。

「で、なんすか?新にゅ・・・侵入部員って?」
「おう。くわしく説明しよう」
ホワイトボートをだしてきて、説明書する。
「えっと、我々、帰宅部は、帰宅部であり、地球侵略愛好会である。」
「ええ、始めに聞きました。」
「とりあえず、そういう訳だ。神有彩頼む。たまごっちが、俺を呼んでいる」
ポケットから、あの機械を取り出す。
「実は、教える気なかったでしょ?」
「・・・スマン」
「・・・やっぱな」
冷たい目線を向ける。
「ああ!くちパッチが死んだぁぁぁ」
机に、頭を打ち付けて絶叫している。
(・・・忙しい奴)
心の中で呟く。
「浦。」
「えっ!?」
「・・・説明する。・・きいとけ」
どうやら、「浦」とは俺の事のようだ。
(びっくりしたっ・・・浦って呼ばれたの初めてだから・・・)
いつもの、パソコンを取り出す。
「説明しよう」
彼女なりに急にテンションを上げる。
「・・・うん」
「・・・滑った?」
「・・・若干」
「・・・そう」
切なそうに、下を向く。
「・・・・せつめいする」
やや投げやりだ。
「私たち地球侵略愛好会は、それなりのお遊びクラブではない。それなりの、侵略活動をしたいと思う。しかし、侵略するにも、その場所の詳しい情報をいただかなければ、上手く行きにくい。だから、侵入部員が必要なのだ。」
「要するに、スパイが必要な訳ですね」
「・・・しょうゆうこと・・」
「・・・・」
「・・・そう」
なにも言わなくてもわかったようだ。
「じゃあ、行くんですか?部長」
「何処に?くちパッチのもとに?」
「行くんですね。解りました」
もう、いい。部長を引きずり、部屋を出ようとする。
「浦。」
後ろで声がかかる。
振り向く。
「・・・頑張って。私、ポスターでも作ってる」
「ああ。ポスター作りも頑張れよ」
「・・・頑張る」
そのことばを聞いて、俺は扉を閉める。

なんでこんなに、アツくなってるのかわかんなかったが、何も考えず突っ走ることにした。




「もう、俺。くちパッチにあえねーのかな・・・」
(まだ、言ってやがる・・・)
いい加減うっと惜しくなったので、一言言う。
「あのねえ、部長。そんなの、リセットボタン押せばいい話じゃないっすか」
「・・・リセット・・・ボタン?」
涙を拭いて、疑問そうに言う。
「・・・・裏についてる、小さなボタンです。」
「マジで!それを押すと!?」
「また、最初から始まる」
「やたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
廊下で絶叫したせいか、みんながこっちをみる。
「・・・・あの、いやな視線集めてるんで、そろそろ・・・」
「おう!じゃ、いきますかぁ!」
そう言って廊下を全力疾走する。
(よかった・・・馬鹿で)
リセットボタンを押しても、桜田のくちパッチは戻っては来ないのだが、面倒なので、言わないことにした。



とりあえず、外へでる。
下校している、生徒の波は少し減っていた。
でも、それなりに生徒はいる。
まだ遅くは無いだろう。
「じゃ、早速やりますか。部長」
「・・・・芳醇な娘達よ・・・我のチームにはいらなければ、貰うぞ・・・・その体!!」
「迷走しないで下さい!」
「冗談」
この人の冗談は、よくわからん。

そんななか、女の子の集団が横を通る。
この学校の生徒は、男子より女子の方が多い。
だから、女子とであう方がこの校内では多い。
だから、そんなに疑問は抱かなかった。
「じゃ、あの人に早速・・・」
「よっしゃ、任しておけ!」
腕をガッツポーズにする。
(あぁ・・・・馬鹿な事はしないでくれ)
そう思いながらも、桜田の後ろ姿を見送った。
そして、桜田は彼女達に話かける。
「君、一年生?」
「え・・・あ、はい」
「そうか、なら部活も決まってないな。」
(そう、いい感じだぞ、桜田!)
物影で、エールを送る。
「え・・・はい」
「そうか、なら話は簡単だ!」
(そうだ!いいぞ!)
桜田の次の言葉を待つ。
「チチを揉ませろ」
(うぉぉぉぉぉ!)
玄関前で、うちひしがれる、自分がいた。

[*前へ][次へ#]

3/11ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!