属に言う帰宅部の平均的活動 浦澤と青春と帰宅部 春。 実に良い、空気。 桜並木を横切り、校門の前に立つ。 そして思う。 (あぁっ・・・・帰りてぇぇっ・・!) 中学校のころ、運動部に入っていたのだが、せっかく高校に入ったのだ。 (もう、文化部だろうが、何だろうが、青春かけられる部活に入ってやるさ!) そう、決意を決めつつもこれから始まる、高校生活にけだるさを感じていた。 まずは入学式を終えて、一日目。 対面式を終えて、今日は終わりのようだった。 (あー、疲れた・・・) 今まで過ごして来た所から、慣れない所に来るとこんなにも疲れる物なんだろうか・・・ (早く帰って寝よう・・・) 隣の席にいた、見ず知らずの同級生と別れ、そして外へ出た。すると部活紹介をしている人達を・・・・・・一人だけ、見た。 「我等の部活に入りません?入ったらいいことあるかもよー!」 赤みがかった長髪、学ランを来た、男子生徒が叫んでいた。 ・・・きりたんぽを片手に。 肩にかけてあった看板には、(ウエルカム・トゥ・ザ・ジャングル)と、書いてあった。 「何の関連性が・・・」 と、呟きながら冷たい目線をみんなが向けていることに気づく。 (そりゃ、そうだろ・・・) 俺も健全な、高校生活を送りたかったので黙ってその場を後に・・・・ しようとしたのだが。 「やぁ。きりたんぽなんてどうかな!」 さっきまで、あっちにいたひとが急に目の前に現れた。 ・・・しかも若干泣きながら。 「・・・泣いてないっすか?」 「・・・泣いてるかもな。」 「なんで泣いてんですか?」 「・・・だれも・・こねぇから」 ・・・当たり前だ。 涙を擦り、鼻を啜り、話始めた。 「時に、おぬし、高校の部活で、やりたいことは見つかったか?」 「いや・・・んなこと無いですよ。」 あっさり答える。 別に、なにがしたいとか、どんな部活に入りたいとかそういうのが本心から全くなかった。 「よおし!じゃあ、帰宅部か!」 「んーと・・・まあ、そうなるでしょうね」 すると、彼はガッツポーズをした。 「よし!じゃあ、ついて来い」 と、腕を強引に引っ張り言った。 「だっ・・ちょっ・・・まっ・・」 そんな俺の言葉に耳を貸さず、彼は、突っ走りまくった。 そして、俺は強引に引っ張って連れていかれるのだった。 階段を上り、一直線に突っ走る。 そして、とある扉の前で立ち止まる。 「さて、ここが部室だ」 「・・・え?部室ってあるんすか?帰宅部なのに?」 その瞬間、彼は(フフフッ)と不適な笑いを浮かべた。 「なんすか、その笑い?」 「実は、帰宅部は仮の姿なのだよ・・・」 「・・・・は?」 何を言っているんだ? 帰宅部は、帰宅部だろ? いや・・・ただの馬鹿なのかもしれない。 「・・・お前、内心馬鹿かって思ったろ?」 「いえべつに」 「・・・まぁいい」 ・・・危なかった。 「とりあえず中に入れよ」 そう言って彼は、扉を開けた。 「あ、そうそう。俺の名前は、(桜田 門外)この部活の部長だ。」 「あぁ、どうも」 (珍しい名前だな・・・) なんて思いつつも、部屋に一緒に入った 「よう、帰ってきたぞー」 少し薄暗い部屋、カーテンがかかっているからだろう。 周りには、特に目立ったものは無く、本棚、テレビ、すぐ真横にはロッカーが設置されていた。 「ここ、部室って言うより物置じゃないっすか」 「黙っとけ・・」 どうやら痛いところを突かれたようだ。 そんな中、この部室にいる一人の少女の存在に気づいた。 ポニーテールにめがね。顎に手を当て目の前にあるパソコンを見つめている。 左手では、忙しそうにパソコンのキーボードを連打していた。 「どうだ、なかなかかわいいだろ?」 彼女を見ているのに気づいたのか、桜田は俺にはなしかけてくる。 それに気づいたのか彼女もこちらを向いた。 「・・・いや、本人がいる前でそれは・・・いや、かわいくなくは無いけど・・・」 無関心そうに彼女は、パソコンに目を戻す。 「ま、それはそれでいいよ。とりあえず座って」 出されたパイプ椅子に、座る。 机が上下左右に並んでいて、南側に俺、北側に桜田、そして、西側にパソコン少女、といった感じで座っている。 桜田も、椅子に腰掛け話し始めた。 「さて、まずキミの名前は?」 「あ・・えーっと・・(浦澤 聡)」 「あーっ、さとる?親父と同じだわ」 (んな事どうでもいいっつうの・・・) 心の中で呟く。 「じゃ、とりあえず入ってみようか。この部活。」 唐突だな・・・おい。 「・・・てか、何する部活何すか?」 「おー、唐突だねー」 ・・いや、オマエガだよ。 「じゃ、とりあえず。神有彩。説明してあげて」 「かんゆうさい?」 「ああ、彼女。(神有彩 マヤ)。パソコンとかすごいんだぜ。がんばれば、政府のコンピューターにハッキングできるんだぜ」 ・・・っていうか、犯罪だろう・・・それは。 「・・・あなた」 初めて、彼女がしゃべった。 「え?俺?」 「ここの事・・・知りたい?」 「・・・・まあ」 とりあえず、返事しておく。 「・・・教えない」 「・・・はい?」 思わず声が裏返った。 「・・・教えない」 大事な事だからって二回も・・・・ 相当へこんだ。 桜田に、聞き返す。 「教えてくれなかったんですけど・・・」 「じゃ、わかった。俺が教えよう」 はじめっからそうすりゃ良かったんだよ・・・ 心でまた呟く。 「実はだ」 彼の後ろで光が輝いた。 「ここは、地球侵略愛好会でもあるのだよ」 「・・・」 彼の後ろの光が一瞬で消えた。 [次へ#] |