山茶花の夢小説
にゃんこものがたり番外編 19

『さがぁ…』
 背中に感じるずっしりとした重みに、かのんは不安げな声を上げる。自分よりはるかに大きな相手にのしかかられて、緊張感を感じるゆとりもなく体が勝手にひきつるのに戸惑う。

 まるで男を誘う遊び女の姿にも似て…。

 むろんかのんにそんなつもりはなくても発情期を迎えた身体は、無意識のうちに刺激的な香りを放って男を誘う。
『そんなに可愛い声を出してると食べてしまいたくなるよ』
 さがの声が笑いを含んで背中から聞こえてくる。ふさふさの長い毛がかのんの身体に触れてくすぐったい。
『くふぅ…』
 煮えたぎるような体の内側の熱気を逃がそうとしても、吐息が鼻に抜けて甘ったれた声が漏れる。
『かのん』
 さっきさがに噛み付かれたところを、今度はザラザラの舌で舐め上げられる。そして背中に幾つものキス。

『…さがぁ…からだが熱いの。どうにかしてぇ…』
 目を閉じて言う事を聞かない体をこわばらせながら、蚊の鳴くような声で囁く。
 まだ仔猫の域を脱したばかりのかのんにも、その言葉がどう言う意味を持つのか分かっていた。
『それは大変だ。お注射をしてあげるからじっとして』
『…お注射キライ』
『このお注射は痛くないから大丈夫だよ』
 ぷるぷるとかぶりを振って拒否するかのんにさがはくすくす笑いながら促した。
『…痛くないならいい…』
『いい子だ。かのんはいいこだね』

 高々と可愛いいお尻を突き出したまま体をこわばらせていたかのんのしとどに濡れた熱いぬかるみに、固くて熱いものが押し当てられる。
『…痛くしないでね』
 これから何をされるのかも知らず、不安げな上目遣いで振り返るかのんはさがの嗜虐心をそそった。
『わかっているよ』
 薄く笑いを含んだ声にかのんが安堵した瞬間、かのんの足の間の普段は柔らかい毛に覆われて隠されている秘所に熱い勃まりがねじ込まれた。
『さがのうそつきぃ…』



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