山茶花の夢小説
にゃんこものがたり   その7  18禁

 教皇の間の奥の幾重にも厚いカーテンに隠された壁には12宮の一つ一つに向かう抜け道がある。

 サガがそれを知っていたのは偶然で、その昔幼い弟が重傷を負った時にシオン教皇が弟の怪我を己の小宇宙を分け与えると言う形で癒してくれたのだが、つまるところそれは言葉を変えた性交でしかなく、彼は教皇たる身でありながら味を占めてしまったのだ。

 ずっと閉じ込められ、修行すらしたことのない幼い弟は双子でありながらサガより二回りは小さく柔らかく、ずっと性虐待を受けていた体は、重傷を負っていながらシオン教皇を悦ばせた。
 それ以来教皇は、こっそりと双児宮の地下室に閉じ込められた子供の元に通うようになってしまう。
 
 朝サガが地下室に弟を閉じ込めて、封印を施し出仕した後に抜け道を通って双児宮に現れ、地下室の子供を幻朧拳で眠らせ犯し続けた。
 あるときサガは聖闘士候補生の修行を看ているうちに、うっかりしてシャツを破いてしまい代わりを取りに双児宮へ帰ると、ありえない所に入り口が出来ていて好奇心の赴くままその道を辿って行くと教皇の間の奥にあるカーテンの重なり合った場所に出た。
 再び同じ道を通って双児宮に戻ると、先ほどは気付かなかった小宇宙の乱れに気付いた。あたりに漂う小宇宙の残滓を辿って行くと自分達の寝室に当てている部屋に辿り着いた。漏れ聞こえる激しい息遣いと乱れた小宇宙に戦慄きながら、物陰から覗き込む。


 …其処には、ぐったりした弟の体に跨るようにして己の欲望を突き立てている教皇の姿があった。大きく足を広げられた小さなお尻の穴の中に大人の怒張した性器がねじ込まれる様はグロテスクな光景だった。皺一つないくらいに広がったすぼまりに、教皇の性器が出し入れされる度に大きく捲くれ上がり赤い肉を見せていた。いつもの温厚な教皇とは打って変わった浅ましい姿に、我知らず怖気が走った。

 不意に弟の体を貪っていた教皇が、こちらに向かって幻朧拳を放ちサガの意識は其処で途切れた。

 ただ意識がなくなる間際に見た、サイドテーブルに載せられた子供の気をひきそうなお菓子の包みがきっちり半分残されていたのが不憫でならなかった。弟は自分の肉体の代償とも知らず、与えられたお菓子をサガにも分けてくれるつもりだったのだ。そんな物喜ぶわけも無かろうに。

「私は幸いな事に覚えてないのだが、私の中のもう独りが意識のなくなる寸前までの事を逐一覚えていたんだよ。二重人格は幼児期の性的虐待の産物だと言うけれど、私の場合は私自身に起きた事じゃなくて弟が性虐待されるのを見てしまったことが発端だと思うよ。おまけに、弟自身に助けに入ろうとしたのを止められてしまったからね。師匠であった男が酒に酔って仲間と共に弟を玩具にしているのに出くわして、止めようとした私を弟は止めたのだ。散々慰み者にされた体を引き摺って戻ってきた弟は私に忘れてくれといったらしい。もう既に何度も同じ眼にあっているから、私が乱入する事で私まで毒牙に掛かる事はないと泣いたそうだ。私は忘れると約束したらしい。お前があの男に辱められていた事を忘れよう。そのかわり、一刻も早く黄金聖闘士になってお前を解放してやると約束したのだと。その約束をしたのは既に私ではないのだが。そのときにはもうあいつが存在していたんだ。私が忘れてしまいたいような事を覚えている存在としてな。」
「にゃあぅ(さが、なかないで)」
「結局、私には弟を解放してやることはできなかった。私が黄金聖闘士になってからも、弟は双児座の影として閉じ込められ続け最後は水牢に閉じ込められて海に飲まれてしまったよ」
「にい(かわいそうね)」
「尤も、最後に弟を水牢に閉じ込めたのは私なのだ。余りに悪さが酷いのでちょっとしたお仕置きのつもりだったのだがな」

 サガは双児宮に繋がる道への扉を開けた。


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あきゅろす。
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