山茶花の夢小説
秘密のお茶会   その6

 双児宮までの道のりに、私は少しラダさんとお話したの。
 
 元からあんまりしゃべんない人っぽかったけど、緊張している今は特にしゃべらないので、間が持たなくて困ったわ。鬣のような金髪とふさふさの濃い眉毛(濃ゆすぎてつながってしまっているのだけれど)が目を引く堂々たる偉丈夫。黙っていても、ひしひしと圧力を感じるわ。むしろ黙っているから余計に扱いずらいのかもしれない。
 
 シュラさんがラダさんに出した条件は、冥衣を脱いで生身でいく事と、90分以内に帰ってくること。
 冥衣を脱いでって言うのは無用ないざこざを避けるためなんだろうけど、何で90分かと言うと行きに30分帰りに30分として、正味30分しか逢ってられないと言う事。でも、いつパンドラさんがお帰りになるかわからない以上は長居は禁物だわよね。お嬢様の警護に来たはずなのに、抜け出してデートに行っていたなんてばれたらまずいわよね。

 「その、カノンは本当に大丈夫なのだろうか?あ、いや…サエラさんの診断を信じないわけではないのだが、あいつほどの男がそうそう寝込む事があるとは思えんのだ」
 普通に考えたらそうよねぇ。カラダ鍛えるのが商売みたいなひとばかりだし、カノンさんも黄金聖闘士だもんねえ。でも、いくら聖闘士でも内臓までは鍛えられ無いと思うの。しかも内側からなんてねぇ。
 それにあの二人は双子だからDNAも同じで、それなのにたっぷり中出しされてそのまま手当しなかったもんだから、それで余計に拒絶反応が出ているんじゃないかと私は睨んでいるんだけど。
 …この人には言えないわよね。
 
 悶々としながら下の宮を通り過ぎ双児宮に着いた時には、ちょうど約束の30分後だったの。カノンさんも双児宮の前まで出迎えに来てくれてて、感動の対面となったわけよ。
 
 カノンさんは少し顔色が悪かったけど、他には元気そうだったので少し安心したわ。いつものスニオン服でなくサガさんと同じような長い部屋着姿で、ちょっと新鮮だったのだけど、そう思ったのは私独りじゃなかったようだわ。

「久しぶりだな、ラダマンティス」
「むぅカノン、体の具合はいいのか?お前ほどの男が寝込むとは、にわかには信じがたいのだが」
「大したことじゃあない。牡蠣にあたったような物さ」
 お兄さんは牡蠣ですか…そうですか。あながち外れちゃいないんだけどね。どちらもミルクとも言うしね…イヤイヤ///!忘れて///!

 これ以上長居しちゃあただのお邪魔虫になっちゃうので、30分後に迎えに来る事を約束してその場を離れたわ。…ほとんど二人とも聴いてなかったと思うけど。眼の端に岩陰に消える二人が映ったような気がするけど気にしない。
 
 30分をどう過ごそうか考えた挙句、いい案が浮かばなかったので仕方なしに双児宮を一周することにしたわ。階下に位置する白羊宮や、金牛宮、上に当たる巨蟹宮なんかを眺めて過ごそうと小高い岩の上に上ったら、岩陰に潜んでいるはずのさっきの二人に遭遇しちゃった。どうやら知らないうちに元の場所に戻っていたみたいなの。決してデバガメ目的で戻ってきたわけじゃないのよ!。

 二人はこちらに気が付いてないようだったし、今から戻ろうにもかえって気がつかれちゃいそうで、このまま時間まで隠れている事にしたの。

 衣擦れの音と荒い息遣い、濡れた粘膜のぶつかる音が洩れ聞こえてくるうちに我慢できなくなって、そっと物陰から覗いてみたわ。
 
 ふたりは岩にもたれて腰掛けたラダさんの腰の上にカノンさんが跨る形で繋がってた。思ったとおりカノンさんの長い部屋着の下は何も着てなかったのか、それとも下着をずらしたのか…個人的には下着をずらして挿入されてるのが…いやいやいや、私の好みはおいといて。
 もう既に深く挿入されちゃっているらしい。カノンさんがラダさんの膝の上で腰を揺らしてた。


カノンさん、ラダさんの顔を見詰めながら腰を動かしてる。部屋着の裾のせいでホントに繋がってるかどうか確認は取れないけど、ぬぷとかぬちゃとか生々しい音が聞こえてくるし、大体さっきまで沙織お嬢さんたちのお茶会でこの人たちが何度もやってるのを映像で見ていたから、カノンさんが奥まで入れられてるのに動いてもらえなくてかなりじりじりしてるのまで判った。

「ラダマンティス…動いていいぞ」
「だがお前の体が…」
 カノンさんの顔中にキスの雨を降らせながらラダさんが切なそうな顔してる。
「俺が動いて欲しいのさ…」
 
 うっわ…!ものすっごく妖艶っぽい眼!ちらりと見ただけでこっちまでぞくぞく〜っとくるような淫魔の瞳みたい。あちらからは見えない位置でホントよかったわぁ。
 あんな眼で見られたらお年寄りだって絶対その気になっちゃうわよ、きっと。
 
 言うまでもないけど若いラダさんはイチコロで猛然と腰を突き上げだして、カノンさんは仰け反って喘いでる。口の端が上がっているのはもしかして笑ってるの?まあ、あんなに至る処にちゅっちゅっされたら、くすぐったくて堪らないか。
 
「あぁ…蕩けそうだ…お前の中は熱いな」
 顔中にキスに雨を降らせて囁くっていいかも。あんなに男らしい人に眉をひそめて囁かれたら堪らないよね。
「くぅん…ん…」
 ラダさんの肩に顔を埋めちゃって可愛い。
「カノン…辛いのか?」
 ラダさんったら心配そうに顔を覗き込んでるけど…あああじれったいわね!。辛いんじゃなくて気持ちいいのよ!

「ちが…あぁ…気持ちイッ…そ…こ…ぐぃって…し…てぇ」
「ここか!ここだな!」
「あぁぁ…ラ…ダぁ…」

 腰をすりすりするみたいに動かして股間をこすりつけてるぅ。やっぱり、映像で見るのと生で見るのは全然違うわね。うん、すっごくイイ。
  
 カノンさんの可愛い声にラダさんもラストスパートに入ったようで、カノンさんのお尻の肉をぎゅっって感じに掴んで猛然と突き上げ始めた。う〜ん眉を寄せてって言いたいけどラダさんの眉毛ってどこが眉間なんだろ。
 でも、男らしくてかっこいい顔だと思う。美形とは言えないけどね。

「くぅぅ…残念だがもうもたん。中で出していいか?」
「あぁ・・・きてぇ…らだぁ…」
「うぁぁっカノン愛してるぞ!」
「あぁぁ…でちゃう…あ・・・あッ」

 二人して、抱き合ったまま相手の肩におでこをくっつけて荒い息をしてる。同時にイったってカンジよね。体を繋いだままどちらとも無く見詰め合って、ちゅ。
 仲良しはいいんだけど、そろそろ時間よね。どうやって割り込んだらいいものか、悩んじゃう。

♪〜ラダさんの携帯の着メロが一回だけなって切れた。

「何・・・?」
「俺の携帯。シュラ殿からだ。そろそろ時間だという事だろうな」
「…シュラの奴…苦労人だな」
 シュラさんの気遣いに、にっこり笑いあって体を離し出す。
「んッ」
 引き抜かれる時にカノンさんが妖しい声を出すもんだから、ラダさんがうろたえちゃったのは笑えたわ。
 
 二人が身形を整えた所で声をかけることにしたの。もちろん場所を移動したわよ。わざと下の方から声をかけたの。
「二人ともソロソロいいかしら?」
「サエラさんお気を使わせて申し訳なかった」
「ありがと、Dr.サエラ]
 
 二人に軽く頷くと私は先に立って歩き始めたの。なぜって…?
 私まで顔があかくなってしまっていたからよ。


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