山茶花の夢小説
秘密のお茶会 その3
沙織お嬢さんはいそいそと、70型のテレビにブルーレイをセットした。
「長い道のりだったわ、黒いサガの方が聡くってね。今までに5つもカメラを駄目にされたの。ほんとに、どうしてわかるのかしら?ほんの虫くらいの大きさなのにね」
溜息混じりにリモコンに手を伸ばす。
「あんな小さな物がバレてしまうなんて、流石は黄金聖闘士だけあるね。私の海将軍たちも見習わなくてはいけないな」
「私は、5回カメラを壊されても6回目に挑戦するアテナのチャレンジ精神の方に脱帽するわ」
紅茶を飲みながら、和やかにする会話じゃないわよねぇ。
「でも、そのサガの更に上を行くシオン教皇も凄いね。絶対私怨はいってるよそれ、確か聖戦の始まりの時にサガがシオン教皇を暗殺したのだったっけね」
「冥界に居た時も人を見透かすような目で、裁判官のルネが酷く怒っていたものだったわ。亡者なら亡者らしくするものだってね」
「亡者らしくったって、亡者らしいシオンなんて想像がつかないわ」
「違いないね。きっと冥界でも偉そうにしてたのだろうね」
「正解よ。3巨頭も頭を抱えていたわ。あんまり偉そうにしているので、他の亡者にしめしがつかないってね」
「…そんなおっかない人にデバガメの片棒を担がせようとするアテナもすごいね」
「失礼ね、盗撮といってもらいたいわ」
「それ、何処が違うのかしら?」
うきうきと楽しそうなジュリアン君とパンドラさん。私は話が見えなくて、お茶請けに出されたいかにもお高そうな焼き菓子をひたすら抓んでいたわ。
だって、こんな高そうなお菓子滅多に食べられないんだもん。
「さぁ、用意ができたわよ。ご期待に添えるといいのだけど」
言葉とはうらはらに、花のほころぶような満面の笑顔。沙織お嬢さんのお勧めのブルーレイディスクが回り始める
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