山茶花の小説
樽チェアのこと   その後5

 結局、アテネまではテレポートして人目につかないところに現れてアポロコーストまで一時間ちょっとの
バスの旅を楽しむことになった。
 二人は知らなかったが結構有名な観光地のようで、割合人で込み合っていたが、ちょっと上乗せしてボックスシートを取ったので、二人の世界を邪魔するものは居なかった。
 もっとも、そのための個室型ボックスシートなわけで、やたらと乱入する邪魔者にラダマンティスが業を煮やした結果だった。やはり観光地行きの直行バスには子供連れが多く、その子供達がみんながみんなカノンに遊んで欲しがった。更に元来が子供好きなカノンが構う物だから余計に蔑ろにされたかたちのラダマンティスの癇に障った。
 
 ラダマンティスはたまたま通りかかった車掌を捕まえ、ボックスシートのチケットを手に入れるとまだ子供達と遊ぼうとするカノンを個室に押し込んだ。

「子供に嫉妬するなよ、恥ずかしい奴だな」
 まるでこちらが悪いような言い方をするが、俺たちは子供と遊ぶ為に此処まで出向いたわけではないだろと、可愛い唇をとがらせてまだ文句を言い続けるカノンに荷物を押し付けて奥の座席に押し倒す。

「俺は腹が減っている。メシにするか、それともお前が俺に喰われるか、どちらかを選ばせてやろう。とっとと決めろ」
 ふてくされて、上目使いで唇を尖らせていたが、やがてちいさい声で食事を選んだ。

(うは!可愛いよカノン!いますぐにでもお前を食べちゃいたいとも!)
 ラダマンティスは心の声を必死に押し殺した。

「賢明な判断だな。こんな所で始めたとしたら、お前のいやらしいよがり声が子供達にも丸聞こえになったろうからな」
 わざと憎々しげな口ぶりで囁き、カノンの耳の後ろの柔らかい肉をきつく吸って痕を残した。
「ち!痕を残すな」
「知らんな。約束した覚えもない」
 ラダマンティスの胸を押しのけて、体を起こそうとするカノンに手を貸してやり荷物の包みを開く。

「腹がへってると機嫌がワルイなんて子供かよ」
「悪かったな、なんせお前より5才も年下なもんでな」
 また唇を尖らせるカノンをほほえましく思いながらも憎まれ口が止まらない。子供に嫉妬する自分にいささか呆れる。

「いい加減にしろ。そら、海が見えてきたぞ。海を見ながらランチにしょうぜ」
「海なぞ珍しくもないくせに」
「いちいち食いついてくるなよ。おら、お前の分のうなぎパイ。精付けるんだろ、残すなよ」
 図星を指されて悔しかったのか、乱暴にうなぎのパイを3つも押し付けてきた。早速一つを頬張るがやはり、3個は多いようだ。
「まずくはないが、少々重いな。俺には少し油っぽいようだ」
 少し首をかしげて、こちらを見たかと思うとやおら首を伸ばしてラダマンティスの手に持ったうなぎパイにかじりついた。
 こちらがあっけに取られている間に、大きくかじり取り首を傾げて咀嚼していたが、ごくんと呑み込むと上唇をぺろりと舐めた。
「ふつーに旨いじゃないか。」
 うなぎパイの油で唇がつやつやに光って、すごくえろいことになっているのに、当人は気が付いていなかった。
(個室をとっといて正解だったな)

「おい…なんでそんなとこ膨らましてんだ?ちょっと待て!離せよ!」
「さっそく効いて来たようだ。大した物だな、お前のお勧めのうなぎパイは。」
「…そんなに速攻で効くわけないだろう!俺は腹がすいてんだよ」
「先に下の口に喰わせてやらんとな」
 片手で器用に食事の残骸を押しのけるとカノンの服を捲くり上げ、淡く色づいた乳頭にむしゃぶりつく。
 きつく吸い、勃ちあがってきたところで軽く歯で扱くように愛撫すれば、甘い吐息と共にカノンの抵抗がやんだ。
「ばかやろう…」
 甘い溜息と共に零れ落ちた言葉は、喩え罵倒の言葉さえ甘美な睦言に聞こえる。
 下穿きに手を差し込めばカノンの欲望も既に形を変え、ラダマンティスの愛撫を待ちわびている。

「体は正直だな」
 涙目で睨んでくる目元にキスして、耳孔に舌先を滑り込ませる。カノンの体にビクビクと電流が走り、唇を噛み締めイヤイヤと首を振る。なおも舌で耳孔を犯してやったら、股間を嬲る手に自分の手を添えて押し当てる。

「そこじゃなくて…こっちにちょうだい」
 普段とはかけ離れた蚊の啼くような声で囁くので、俄然こちらもいきり立つと言うもの。
 先ばしりに濡れる欲望を掌で握りこみ、指先で先端の敏感なところをぐりぐり虐めてやったらあっけなく精をもらした。
 
 ズボンごと下穿きをずらして、奥まった蕾を曝け出させる。男の欲望を受け容れることに慣れた其処は、既に柔らかくひくついて、まるで別の生き物のように獲物を待ちわびている。カノン自身の精に濡れた指をあてがえると、すかさずぬぷりと喰らいつく。
 狭い蜜穴の中を奥のほうまでかき混ぜれば、熱い媚肉が絡みつき指に吸い付いてくる。

「ラダマンティス…指は…もういいから…お前を喰わせろよ」
「欲しいんなら、自分で喰いにこい」
 ズボンの前をくつろげると、すっかり怒張した屹立が暴れ出して存在を示す。
「ほら、ちょうど食べ頃だぜ」
 
 カノンの瞳が切なげに揺れて、熱いため息を漏らす。
「…どうすればいい?」
 ラダマンティスは、もうたまらなくなってカノンの手を取り己の怒張にあてがうと、上下に擦りだした。
「知れた事、お前の手でお前の中へ入ればいい。お前の旨い肉を早く喰わしてくれ」

 カノンはベンチシートの上を移動してラダマンティスの膝の上に跨り、いきり立つ男根に手を添えるとゆっくりと体を沈めだす。熟れきった蕾はとろとろにとろけて、ラダマンティスの凶器を僅かな抵抗もなく咥え込んでいく。

「はぁ…ん」
 ラダマンティスの逞しい男根を根元まで咥えこむと、肩口に顔を埋めて熱い吐息を漏らす。
「どうだ?旨いだろう?」
「ばか///」
 俯いた顔を覗き込むと、頬を染めて上目遣いで睨んでくるのを見て、ラダマンアティスはたまらなくなってカノンの体を抱きしめ下から思いっきり突き上げた。

「ひぁあぁ」
「カノン、会いたかったぞ!お前をずっとこうしたかった」
 むしゃぶりつくようにくちびるを求めると、自分から口を吸ってきた。
「俺もだよ、ラダマンティス」

 結局、目的地に着くまでに食事が再開されることはなかった。


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あきゅろす。
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