山茶花の小説
シードラゴンとワイバーン   その5

「遅かったな」

 浴室のドアを開けていの一番にそう云われたラダマンティスは、もうもうたる湯気の中に隠れてしまっているカノンの姿を探す。冗談のように浴室の中一面が白く滲んでいて、自分の足元すらおぼつかないようだ。
「おい、どこにいるんだ?」
「お前の目の前だ。此処まで来たら逃げも隠れもするかよ」
 湯気の中からカノンの声はするものの、ちゃぷちゃぷという水音と混じってラダマンティスの神経を苛む。
「…どこだ?」
「逃げも隠れもせんといったろう」
「…むぅ(見えん…)」
 
 やがて、うろうろと全裸で浴室をさまよったラダマンティスは泡だらけのバスタブの中でご機嫌にけらけら笑っているカノンを発見した。

「せっかく洗わせてやろうと思っていたのに、あんまり遅いからもう自分で洗っちまったよ」
 ラダマンティスを見上げて、悪戯っぽい目でこちらがどきりとするような事を言う
「そうか、それは残念だったな」
 手早く汗を流しながら淡々と答えるが、内心ではすごく残念な気がしていた。あんな事やこんな事が脳裏に浮かんできて頭がぐるぐるしている。体を洗うという大義名分の下にカノンの艶めいた肌のそこここを撫でたりさすったり…。

「だから、俺がお前を洗ってやろう」

「…えっ…」
 普段なら絶対言わないような言葉に目が点になるが、バスタブから出てよろめきながらこちらに来るカノンの上気してピンクに染まった妖艶な肢体から目がはなせない。
「お前…まだ酔っているのではないのか?」
「遠慮する事ないぜ」
 頭の両側をガシッと掴まれた時は驚いたが、口付けは優しかった。うっとりと凭れ掛かって来るのを、優しく抱きしめた。

「ならば遠慮などせん」

 手近にあったボディソープのボトルの蓋を外して半分ほどを一気に浴びせかけた。
 カノンの白い肌にまとわり付く白濁した液体は、まるで違う物のようで嗜虐心をそそる。
 ぬるぬるした感触を嫌がって逃げようとするのを、壁に押し付けて捕まえる。

 耳朶に軽く歯を立て、カノンの体が魚のようにビクビク反応するのを楽しむ。

「あ・・・っ・・・やめろ・・・バカっ」

 バカといわれたくらいでやめられるものではない。そのまま耳孔を舌先でなぶると眉目を寄せ低くうめいた。その表情がひどく扇情的で嗜虐心をそそられる。 なめらかな肩口にキスをして、上気した首筋を舐め上げるとカノンの体がビクリとすくみあがった。

「くっ…やめろ、ラダマンティス///」

 色の薄い乳頭を指先でキュッと引っ張り、ぷくりと膨れ上がり真っ赤になるまでこねくり回す。

「遠慮はしないと言ったはずだ。」 

 目を閉じて嫌々を繰り返すのを口付けで誤魔化して、立ち上がりかけている一物同士をこすり合わせてやる。とろりとした先走りに濡れている先端に刺激を受けて、潤んだ瞳が見上げてくるのにくらくらする。
 
 カノンの片足を持ち上げて体奥の蕾へ指を這わす。小さく輪を描くようにきゅっとしまった蕾に白濁したボディソープをなじませ、ラダマンティスの太い指がそのぬめりでさしたる抵抗もなくぬるりと小さな窄まりへと飲み込まれていく。
 ゆっくりと奥まで指を差込み、入り口付近まで引き抜いてかき回す。蕾の奥の肉がからみつき、ラダマンティスの指を離すまいとたくらむ。。焦れたように腰を押し付けてくるのを、わざと入り口までひき戻す。

「…もっと奥だ…奥をかき回してくれ!」
 
 恥じらいを振り払い、叫ぶように云うとカノンはラダマンティスの首に腕をまわし抱きついてくる。耳までまっかに染まって、こたえられないくらい艶っぽい。

 ラダマンティスはにやりと笑うと、今まで弄っていた指を引き抜き換わりにいきりたった自身を呑み込ませた。すぐさま、叩きつけるように最奥を目指すと、待ち兼ねたように媚肉が絡み付いて締め付けてくる。

「あぁ…ラダぁ」
 片足を持ち上げられた不自然な姿勢のまま激しく突き上げられたカノンが嬌声をあげる。与えられる快感の強さに眩暈がしそうだ。
「カノン…俺のカノン」
 愛しい体を抱きしめて、より深みを目指す。いったん根元まで引き抜いて、勢いよく突き込めば可愛い声をあげて縋り付いてくる。
 
「ひぁ…ラ…ダ…あ…」
 耳元で喘ぐ声にラダマンティスの男根はさらに膨れ上がり硬度を増す。カノンの狭い蜜穴を太い幹でごりごりと擦りながら抜き差しを繰り返し更なる媚態と嬌声をひきだす。
 散々弄って真っ赤になってしまった乳頭を爪の先で引っかいてやれば、体内に囚われた肉棒がきゅうっと締め付けられて、相手をイかせるより先にイキそうになってしまう。それはさすがにワイバーンの名に…いや男として沽券にかかわるので、目の前の艶めかしい首筋に歯を立てておののかす。

「あ、あ、ラダぁ…」

 壁に押し付けられ片足を持ち上げられたままの不自由な体制から、みずから腰を動かしラダマンティスの硬い竿を己のイイところに当てようとして貪欲に快感を求めようとするカノンに煽られて、ラダマンティスの律動も激しくなる。

「くぅ…ラダ…ラダぁ…で…ちゃ…」
「…俺もだ…お前の中に出すぞ…いいな」
「ひぃぁ…ラダッ」
「ぐぅ…カノンっ」

 二人の体に擦られて、カノンが相手の引き締まった腹に精をもらすと同時にラダマンティスもカノンの体奥に熱い迸りを叩き付けた。

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