山茶花の小説
3000HITリクエストでロスカノ その7

 結局、海闘士には合えずじまいだった。

気さくにデスマスクと話していた様子では、そんなに気分が悪そうには見えなかったのにサガとシオン教皇にうやむやに流された。
 ふたりの腹黒い会話についていけなかった為もある。いつのまにか、シオン教皇だけでなく長年の親友だと信じてきたサガまでもが、平然と腹芸をこなすようになっているとはやはり13年の差は大きかった。

「久しぶりの魚料理は旨かったかぇ?」
「あいにくと、今年はまだ魚は解禁されておりません。教皇ともあろうお方が、禁食を犯すのはどうかと思われますが」
「フッ…わかっておるのであろ?」
「さぁ?何のことやら」

 思い出すだけで、心臓がひりひりとするような会話をそ知らぬ顔で平然とこなすようなずぶとい男ではなかったはずなのに…。
 記憶の中のサガのイメージがどんどん壊れていく。一体13年の間に何があいつを変えてしまったのやら。

 弟のアイオリアの守護する獅子宮で食事を共にし、さんざん愚痴った後で(サガの変貌に関しては苦笑いでスルーされた)、帰り道にデスマスクに会った。
 シュラやアフロと飲みにいく約束があると渋るデスマスクに、昼間の海闘士のことについて訊くとにやりと笑ってあいつの守護する宮の裏側に連れて行かれた。

「いいもん見せてやるよ、黙って付いて来な」

 いぶかしむ俺をいなしながら、デスマスクの指し示す方向を覗き込めば、一つ下にある双児宮の居住区が丸見えだった。さすがに声までは聞こえぬ物の、黄金聖闘士の視力を持ってすれば唇を読む事さえ可能な距離だ。

 双児宮のリビングではゆったりめの大きなソファーに腰掛けて、サガが何か飲みながら新聞を読んでいた。大きめのマグカップを使いながらなにやら熱心にページを繰っているその姿は、記憶の中のサガのように無垢に見えた。

「…」
 なにやら声が聞こえたのか、顔を上げ声のした方を向くと風呂上りなのか濡れた体に頭からバスタオルを被った全裸の男が現れた。
 そいつはサガの新聞とマグカップを奪い取ると、サガの抗議もものともせず顎を掴み、無理やりその唇を奪っていた。
 サガがいきなり唇を奪われてもがくうちに、男の被ったバスタオルが落ちた。其処に現れたのは濡れて一層色合いを増した漆黒の髪。

 やがて、何度も角度を変えて貪られたサガの抵抗がやみ両腕がおずおずと黒髪の男の背に回される。
 それを待っていたらしい男がサガの体をソファーの上に押し倒し、下穿きを引き剥がす。サガはもはやなんの抵抗もせずに、男の手荒い愛撫に身を任せている。眉根を寄せ、男の愛撫に促されるがまま体を開く。
 そのうち、男がサガの両足を抱え上げ二つ折りにするようにして、強引に貫いたのが見て取れた。

 両足を男に抱えあげられた恥ずかしい格好で、乱暴に揺さぶられていたサガの腕が男にしがみ付く格好から、男の首に回された。
 男はサガの体を激しく穿ちながら、引き寄せられるままにサガと見詰め合う。犯されているはずのサガが、にっこり笑って自分を貫いている男に口付けをねだった。
 アイオロスの胸に一瞬ちりりと火花のような物が走った気がした。
 
 男の腕がサガの体を抱きしめ、サガの腕は男の頭を抱き深い口付けがなされているようだった。その間も男の腰はサガを穿ち続け、サガの足は男の腰に絡みつき、相手をより深々と咥え込もうとする。

「おぉっ!だいしゅきホールドが出たぜ!」
 興奮したデスマスクの声で我に返った。


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あきゅろす。
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