山茶花の小説
3000HITリクエストでロスカノ その4
俺がアテナの恩寵を受けてこの世に蘇る事が出来たのは、他の皆に比べてかなり遅かった。それは俺が他の皆と違って13年も前に命を落としていると言う事が最大のネックだった。当然他の人間は13年分成長し、または老いていた。
その中で、生きていた時の続きとして14歳で蘇るか、他の者達とあわせて27歳で蘇るかでたいそう揉めたらしい。どちらも俺のことを考えてのことだろうが、正直どちらが正しいのかは誰にもわからないだろう。
ならば、生きてこなかった人生より、これから己の手で切り開く人生をとったのだ。
サガもシュラもデスやアフロもそしてカミュも、13年分の葛藤を乗り越えて嘆きの壁の前に立ったのだ。
ただ見守っていただけの俺が、でかい顔して共に並び立つなどおこがましかろう。
そして俺は14歳で人生をやり直す事になった。
流石に、今まで面倒をみていたちびどもが皆自分より年上になってたのには面食らったな。だが、俺の後をずっとついて回っていた泣き虫のアイオリアが、いっぱしの黄金聖闘士になっていたのは感慨深かったぞ。
だけど同時に、もはやあの子に会っても見分けはつかないだろうなと思うと心苦しかった。あの真っ青な瞳は何度も夢に見たのに、大人になったあの子が想像できなかった。
初めて会ったとき俺は5つだった。黄金聖闘士になったのは8つの時で、死んだ時には14だった。
それまでにも、ありとあらゆる伝手を頼んであの子を探した。もちろん、サガにも何度も聞いた。従兄弟やはとこや親戚に、その年頃の子は居ないか煩がられるまで聞いた。
それからさらに13年の月日が流れて、もうあの子に会えるのは絶望的だろう。
それだけが心残りだった。
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