山茶花の小説
とあるなつのひのあけがたのつづき その9
ひどく安らかな気分で目が覚めた。
こんなにも安らかな気持ちで目が覚めたのは、久しぶりだ。
でも、温かい感触と懐かしい鼓動にとろとろともう一度まどろみたくなって来る。そういう訳にはいかないのはわかってはいるのだが、このここちよさを手放したくなかった。
ま、いいか。今日は急ぎの用事はない。後でシオン教皇からお目玉を喰らうかもしれないがそれはそれだ。
サガは再び眠りの園へ落ちていった。
一方、カノンは焦っていた。
お腹もすいていたし、重かったが、なにより尿意が耐えがたくなって来ていたので。
空腹を感じて目覚めたまでは良かったが、気が付くとカノンの体は後ろから両手両足でがっちりと抱きしめられて身動き一つ出来ない状況で、最悪な事にまだ繋がったままだった。
黄金聖闘士の腕力で抱きすくめられた挙句、未だ硬度を失っていない男性器を根元まで挿入されて逃げようがなかった。そうこうする内に自然現象として尿意を覚えてしまったと言うわけだった。
「サガー!頼むから眼を覚ましてくれよー!」
双児宮にカノンの叫びが虚しく木魂していた。
終
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