山茶花の小説
とあるなつのひのあけがたのつづき その8 

 もう一度体を洗いっこした後は、ふわふわのバスローブを羽織って軽く酒盛り。甘口の果実酒を口当たりのいい炭酸割りにして楽しんだ。 
 眠りに落ちるのが勿体なくて、一つのベッドに二人で潜り込んだあともごそごそ弄りあっていたら、本日何度目かのラウンド開始。
 
「サガぁ、俺もう体がもたない」
「そう言うな。私は今度は何時お前に会えるかわからないんだから、お前の総てを堪能したい。」
「そんな事いってて、また明日にも逢えるかもよ?」
「そうだな、また明日も逢えたらいいな」
 無理だとわかっていて言ってみる。無理とわかっていても笑って答えてくれる。そんな明日が来ればいい。

 切なげな兄の表情に絆されて、からだを開く。男の癖にあんなに切なそうな顔をするのは反則だ。
 長い睫毛が伏目勝ちの瞳に影を落とし、濃い紫の瞳に見詰められれば体がとろけだすようだった。数えられないキスと優しい愛撫に陶然として、素直に体を預けられる。

 一度受け入れたカノンの秘所はサガのカタチを覚えていて、今度はスムーズに繋がる事ができた。

「はぁぁん…サガのあっっい…おれのなか…とけちゃいそう…あん…あん…きもちいいよぉ…もっとぉ…おくまでぇ…ちょうだぁい…あぁん…たまらないよぉ…サガので…サガの…あぅん…おっきいので…おれをつきころしてよぉ」
「お前の中のほうが熱くて気持ちがいいよ。待ってなさい、私のでお前を突き殺してあげるから」
 
 サガの肩に脚を抱え上げられ、より結合が深くなる。自らを深く串刺しにして、カノンの脚はサガの体にいやらしく絡みつき、快楽を追って激しく腰が振られる。

 蜜孔の奥底を激しく叩きつけられて、時折意識が飛びそうになり、誘い込まれるように薄れていく意識にカノンの心は不安になる。
「いやぁ…もぅいやだよぉサガぁ…ゆるしてよぉ…しんじゃう…そんなに突いたら…おれしんじゃう…あひぃん…きもちよくてしんじゃうよぉ」
「かまわないさ。…また、冥界まで迎えに行ってやる。何度でもな。私はオルフェのようなポカはしない。必ずお前をこの手に取り戻してやる。」

サガの瞳に宿るのはまごうかたなき本気の光。情欲にたぎる瞳の中に燃え上がる真摯の炎に炙られてカノンの体も熱を帯びる。

「愛してるぅ」
「知らなかったのか?私もだ」

 兄の腰に脚を絡め、自分の腰を押し付ける。腹腔の最奥で暴れ狂う猛々しい嵐に身を任せ、ひとかけらも残さず貪り尽くされていく。
 激しい律動に揺さぶられて、意識が遠くなる中で聞こえたのは優しい兄の声。

「いつでも、お前を愛しているよ」
 
 カノンは幸せそうに微笑みながら、意識を手放した。


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