山茶花の小説
とあるなつのひのあけがたのつづき その6  
 
吐精の後お互いの肩に顎を埋めて荒い息を吐いていたが、やがて先に正気に返ったサガが浴槽からお湯をくんでまだ繋がったままのカノンの体を洗ってやる。ぐったりとされるがままのカノンの体を洗い終えると、まだ硬度を失っていない肉棒で深く貫いたまま立ち上がり移動を始める。
「サガ…こわい…」
「大丈夫だよ、私にしっかりしがみ付いていなさい」

 体奥を貫かれたまま体を持ち上げられた浮遊感に不安を覚えて、カノンはサガの腰に足を絡めてより深くまで切っ先の侵入を許してしまい衝撃におののいた。

 体を繋いだままゆっくりと、いつもより浅くした浴槽に身を沈める。兄の体にしがみ付いたまま温かいお湯に触れて、カノンの体が無意識にぴくりとふるえるのが可愛らしい。
 
 広い湯船の一面にカノンの紺碧の髪が広がっていく。息をする度にゆったりとさざめく様は真に海龍の名にふさわしい。
「こうやって、お前が私と繋がってる処が見たかった。お湯の中で睦み会うのもいいものだろう?」
「…ばか///」
「ふふ、かわいいよカノン。お前の胸の傷跡がほんのり紅く艶めいてそそられるな。」
 サガの唇が花びらのように紅く色付いた傷跡の引き攣れをきつく吸い上げた。そのまま舌先を滑らせてぷくんと立ち上がった乳頭を虐める。
「くふ…サガぁん」
「そんなに締め付けるな。我慢が出来なくなるだろう?」
「そんなこと…あぁん…サガのが…おっきくなってる…んっ…すっげぇ…きもちいいよぉ」
 兄の腕の中で緩やかな律動に身を任せていると、聖戦も冥界への進軍も互いに命を落とした事さえ夢であったような気がしてくる。ほんの小さな仲たがいで無駄に過ごした13年もうたかたの夢のように思えてくる。
「サガ…ずっと、このままでいたい…このままふたり溶けて…なくなってしまえばいいのに」
「カノン…お前を離したくないよ。神話の時代の双子座のように、冥闘士に堕ちた双子の弟を殺してその心臓を喰らった兄の気持ちがわかるようになってしまった。誰にも渡したくはなかったのだ、きっと。…お前は私にお前を殺させないでくれ」
「バカサガ…俺はお前に殺されるのなら…それでもいいよ」
「馬鹿はお前だ。私は、わたしこそお前の手でこの呪われた人生を終わらせて欲しいと思っているのに」
 カノンはサガの腕の中で兄の髪に手を滑り込ませ深く口付けた。
「俺は…どうせなら、ベッドの上で殺して欲しい」
 お前のコレでさ、と自分の体を深々と串刺しにしている肉棒に触れて見せた。
「このままベッドまで運ぶか?」
「ベッドが水浸しになるな。」
 では、どうすればいい?カノンの耳元で熱い息と共に囁き、舌先を耳孔に差し入れる。カノンの体がぶるぶるっと身震いをして次第に熱を持っていく。
「サガ…またヘンは気持ちになってきた…おればっか虐めるなよ」
 サガの髪に指を絡め、頭を抱き寄せるとそっと耳朶に唇を寄せた。
 と、サガの腕がカノンの足を掴み一旦、己の肉棒を切っ先まで引き抜いてから、カノンの体を反転させ再び最奥まで貫いた。
「ひぁっ!?サガ何を?」
「いたずらっ子にはお仕置きだ」
「おれ…まだ、なにも…」
「しようとしていただろ?」
 第一こっちの方がお前にいろいろできて楽しいと敏感な乳首を嬲られながら言われて、文句を言おうと口をあけたら今度は唇を奪われた。
「ふふ、上の口も下の口も私と繋がっているよ」
「サガ///」
 兄の膝の上から身を捩って抜けだそうと試みるが、繋がったままの腰を捕らえられて簡単に押さえ込まれる。育ちかけた果実をぐりぐりと指先で虐められて、兄の腕にすがりつく。頭を振るたびに長い髪が揺れる。
 サガは後ろからカノンのうなじに舌を這わした。肉の薄い耳たぶをきつく吸って耳朶に歯を立ててやると、かわいい声で啼く。
「はぁん…サガぁ・・・愛してる…ずっと一緒にいて」
 深々と貫かれたまま、カノンはサガの腕に身をゆだねた。自分からくちづけをねだり、兄の口に自分の舌を差し入れて触れ合わせる。

「あぁ、お前が厭だといってもな」
 サガは酷く優しげな顔で言った。

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