山茶花の小説
とあるなつのひ
18禁ラダ×カノン
「暑いな〜…なんで、こんなに暑いんだ。ここなら涼しいかと思ったのに…。冥界が暑いなんて詐欺だろう。おまけにお前と来たら胸毛やら脛毛全開で暑苦しいったらないだろ!」
「何の連絡もなしにいきなり現れて、文句を言われる筋合いではないと思うがな。」
大体こないだは俺の胸毛がセクシーだとか言ってなかったかとボヤキながらも、冷たいアイスティーを渡してくれた。
「こないだはこないだ、今は今だ。無茶苦茶やりたくなって、誰でもいいから奥まで突っ込んでぐちょぐちょにかき回して欲しいときと、フツーに仕事してるときに同じ反応するわけなかろ?」
にっこりと綺麗な笑顔で見上げてくる恋人にラダマンティスは開いた口がふさがらない。
「おい、…涼しい顔して何問題発言炸裂してくれるんだよ」
「何がだ?」
思わず詰め寄ってしまったが、涼しげな笑みはかわらず。
「その、…誰でもいいからって状態には頻繁になるのか?聖域ではどうしてるんだ?」
「いつでもってワケじゃない。たまにむらむらしてどうしようもなくなる時があるだけさ。そういう時は大概兄貴の寝所に行く。もし兄貴がいなければ、ちょっと離れた街までいって手ごろな酒場で男漁りってとこかな」
しれっとした顔で悪びれもなく言うもんで、一瞬納得しかけてしまったがやはり何かが違うだろうと、ラダマンティスの理性が叫ぶ。
「…お前な…」
「なんだ?」
ほんのわずかの間にやつれ果てた男を前に、アイスティーを啜りながら悪魔のように綺麗に微笑む。
「…今度体が火照ってどうしょうもなくなった時には俺んとこへ来い。」
兄貴がいないときくらいなら、お前に喰らい尽くされてやっても良いと決死の覚悟で告白する。
カノンはクスリと鼻で笑った。
「なにが可笑しい」
さすがにむっとして睨みつけると、ラダマンティスの瞳を覗き込んでくる。
「俺は端っからそのつもりなんだが。」
「お・ま・え・はぁぁぁぁぁぁ!」
ラダマンティスは一瞬で頭の先まで真っ赤になった。いたずらっぽい笑顔で見詰めているカノンの長い髪をひっつかんでフローリングの床に引き倒す。
「お前の方から言い出したのだからな。泣いて嫌がっても許してやらん」
カノンの上に馬乗りになって、指を突きつけ宣言する。
「望むところだ」
カノンの瞳にいつのまにか、とろりとした淫蕩な艶が漂っている。ラダマンティスに突きつけられた指を両手で捕まえて、口へ運びこちらに目を合わせたまま舌先で嬲りはじめる。軽く歯を立て音を立ててしゃぶりだす。
嬲られているのは指のはずなのに、全身の血液が怒涛のように下半身に流れ込むのを感じた。たまらず、カノンの着ている服に手を掛ける。
「もう、か…せっかちだな。俺を泣くほど可愛がってくれるのではなかったのか」
「…俺は嘘はつかん」
服の襟にかけた手を外して、口付けを強請ってみる。歯列をねぶりあげ、お互いの舌を吸いあう。舌先で上顎のくぼみを舐め上げられて背筋を漣が走っていく。息が続かなくなって唇を離しても、名残を惜しむように互いの唾液が糸を引いた。
くっきりした鎖骨を甘噛みし、艶やかな首筋を舐め上げていくとビクリと体を硬くしたのでわき腹をゆっくりとなで上げて気を散らさせる。
耳朶に軽く歯を立て、肉の薄い耳たぶを吸い込んで舐ってやり、組み敷いた体が魚のようにビクビクとはねる感覚を楽しむ。
「…みみは・・・よせ・・・」
上ずった声で拒絶されて、こんどは耳孔に直接囁く。
「なぜだ?感じすぎるからか?」
息を吹き込まれるだけで、カノンの体がおののく。
「図星のようだな」
シャツの裾をまくりあげ、薄く艶付いた乳頭を指先で捏ね繰り回す。こりっと硬かった肉の粒がぷくりと膨れ上がり、柔らかくなると軽く引っ張っていい声で啼かせる。片方が真っ赤に艶付くと舌先で転がすだけで体をのけぞらせるが、もう一方も同じように嬲る。
「はぁ…ぅあぁ…ラダマンティ…スゥ」
首を嫌々と横に振るけれど、約束どおり許してはやらん。ズボンの前が張り詰めていかにも苦しそうだったけど、あえて乳首苛めを続ける。
耳たぶを甘噛みしながら乳頭を押しつぶしてやると、情欲に潤んだ目で縋り付いてくる。着衣のままの股間に己の股間を擦りつけて来るのでわざとぐりぐり動かしてやる。
「も…いゃ…くぅ…やぁ…ラダァ」
荒い息の下から切れ切れに名前を呼んでくるのが愛おしい。
「どうして欲しいのだ、自分で言ってみろ」
詰め寄るラダマンテイスの声も情欲でかすれている。
「いゃ…だ」
上気して涙目なってるくせに、まだ意地を張り続けるカノンに少し意地悪をしたくなって、うす赤く残る少し引き攣れた傷跡の上を舌先で舐めあげる。軽く歯を立て扱くように愛撫しただけでカノンの体はひきつって声にならない悲鳴を上げた。
カノンの着衣を剥ぎ取り、勃ち上がりかけたそれの先走りを掬い取り、奥の蕾に塗りこめる。男の欲望を受け入れる事に慣れた其処はほんのわずかの刺激でもラダマンティスの指を呑み込もうとしてきた。
くちゅくちゅとラダマンティスの指先が出し入れされる度いやらしい音が響き渡る。カノンは大きく足を広げられ男に組み敷かれたままで、自分の体から漏れ出る音から逃げるように顔を背けている。
羞恥に真っ赤に染まっている耳朶に歯を立てれば、半ば体内に含まれた指先がきゅっと締め付けられる。
「カノン、入れるぞ」
手早く服を脱ぎ、いきり立った自身をあてがえれば熟れた蕾はきしみながらもゆっくりとラダマンティスを呑み込んでいく。
「くぅ…」
どうしても最初に入れられるときの異物感から逃げられないカノンは、無意識にラダマンティスにしがみ付いていた。自分を穿つ男にしがみついて穿たれる事の不安感をやり過ごそうと言う皮肉に気が付いているのかどうか。
カノンの両足を抱えあげて、より深く結合しようとする。大きく広がられた足の中心にラダマンティスを咥えこんで激しい抽送がはじまった。
「う…あぁ…ラダ…ラダマンティス…」
荒々しく突き上げる度に、カノンの瞳に涙が溢れる。単なる生理的なもので悲しいわけではないと頭では理解していても、切なげに名前を呼ばれると瞼に口付けして涙を舐め取ってやりたくなる。
カノンはラダマンティスの背中に腕を回し肩口に額を押し当てて、熱い息でよがり声を押し殺そうとしている。
「お前の中は熱いな」
耳たぶを食みながら囁けば、背中に回された手に力がこもる。ラダマンティスを咥えこんだ蕾は熱い媚肉がからまり、きゅうきゅうと締め上げてくる。
さすがに神を誑かした体だけのことはある。
「ラダ…俺を…愛してくれて…いるか?…」
肩口に顔を埋めたままで、カノンが訊いてくる。意地っ張りの恋人は面と向かって訊けないので、こんなまだるっこしい手を使ってくる。
「莫迦か、こんな状況で愛してないと言える男がいたら逢ってみたいわ」
背中に回された腕を外し、指と指を絡めて押さえつけ子供のように頼りなげな顔を覗き込む。こんな顔して抱かれていたのかと思うと不憫になってくる。
「お前のように面倒くさい奴、惚れてでもおらなんだら抱こうとは思わん」
両方に瞼に軽いキス、そして唇にはより深いキスを。
唇が離れたとたん、今度はカノンの方からキスしてくる。舌を差し入れ上顎を舐り、きつく吸われる。自分を貫く男の首に腕を回し、乱暴に揺さぶられながら愛を乞うことをやめられない。
「お前は俺のものだ。いつか必ず俺の手で殺してやるから安心しろ!」
ラダマンティスは叩きつけるように叫ぶと、カノンの片足を抱え上げさらに奥まで穿とうとする。カノンはラダマンティスからの激しい求愛に初めてにっこり笑うと、自分を穿ち続けるラダマンティスの腰に足を絡めて結合を深くする。
まるで殺し合いのような性交は明け方まで続いた。
終
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