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APH
言って欲しい言葉.仏

※死ネタ


「例えば貴方は私を殺さなければならない、そうでしょう?私を殺さないと貴方が殺される、そんな事判りきった事でしょう?貴方のような殿方がそんな初歩的なミスするだなんて、呆れたわ」
彼女は今にも泣き出しそうな表情で哀れな者を見るような目で笑いながら言った。俺の頭に銃口を突きつけながら。確かに俺は哀れだな、と嘆息する。愛した女が敵で、その女に現在殺されそうになっている。どうせなら俺のこの手で彼女を殺したかった。残された人の方が哀しむらしいから。いや、どちらにしろ俺は彼女を殺せなかった。臆病者だからね。
「私はただ、貴方を愛したかった」
彼女は皮肉そうに笑うと、引き金に指をかけた。
「ねえ、フランス、最期に質問して良い?」
「ああ、なんなりとどうぞ、お嬢さん」
「また、私を愛してくれる?」
彼女の意外な問いに俺は目を閉じて、小さく笑いながら頷いた。
「勿論」
次の瞬間、大きな音とともに俺は何も感じなくなった。多分、この世から去ったのだと思う。綺麗な華を彼女に見せながら。
この爆発音は俺が地獄に行くための鎮魂歌(レクイエム)さ。
(再び会うときはまた「愛してる」って言ってね)

言って欲しい言葉/いつか死ぬ@薄雲

20110213

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あきゅろす。
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