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APH
(↑続編)復讐交じりの看病.英
「よお、風邪うつしちまったな。悪ぃ」
「別に、イギリスのせいじゃないもん」
彼女は日本に戻ってすぐに発熱したらしい。
日本が教えてくれた。「うちの@ちゃんに何したんですか!」とか荒れた口調で。いや、俺別に何もしてねぇよ。どっちかというとされた方なんだよ。まあ説明したら「そういう事ですか。すみません」と溜息つきながら許してくれたんだよな。日本。で、とりあえずうつしたのは俺だから一応見舞いに来てやってるんだが。
「帰ってよー、うつしちゃうもん。帰れぇー」
と言ってきやがる。
「見舞い来た奴に対して帰れはねぇだろ」
「大丈夫だもーん、元気だもーん」
力の無い声でそんな事言われても説得力なんて無い。
その時襖が開いた。日本が薬を運んできたらしく、お盆を持っている。
「イギリスさん、有り難うございます」
「あ、ああ、日本」
「祖国様ー、イギリスが帰ってくれないよー」
「@ちゃん、そんな事言ってはいけません。折角お見舞いに来て下さっているんだから。兎に角休んでください」
「なう?」
「はい、今です」
何か。今。英語が使われていたような気がするのは俺だけか?
「イギリスさん、申し訳ありませんがこれから私、用事がありますので@ちゃんの事頼めませんか?」
「あ、ああ、良いが」
「はうー!?祖国様!?」
「それでは」
そう言って薬を置き出て行く日本。
「何でイギリスなのよ!そんなの酷いじゃないの、祖国様!」
そう言っているが日本はもう居ないわけで。
「@。さっさと薬、飲めよ」
「いーやっ!苦いから」
ふーん、そういう事か。
俺はそっぽ向いた@の口に無理矢理薬を流し込む。
「げほっ、ごほっ、イギ、リス…酷っ!」
@はむせながらこっちを弱弱しく睨みつける。
「お前がこの前やった事だろうが。復讐だ」
「悪魔ー!!」
「最高の褒め言葉だぜ」
@の背中を少しさすってやったがその手は滅茶苦茶な勢いで払われた。
「気安く触るな!悪魔!」
結構イラッときてるんだが。
「@……、お前俺が優しく看病してやってるってのになんだその物言いは」
「誰が頼んだのよ」
「日本。お前の祖国様」
「……寝るからどっか行って。変態」
「変態!?どこがだっ!」
彼女はバサッと布団を被ってこっちを見ようとしない。
全く。
我侭な娘だぜ。
「じゃ、おやすみ」
俺はそう短く言って彼女の布団の隣で座ったまま寝てしまった。
復讐交じりの看病
(あ?俺何時の間に寝ちまったんだよ)

悪魔の看病@薄雲

20110116

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