APH
花弁は舞う.英
桜の木にもたれかかって転寝している彼女がいた。
その姿はまるで、妖精のように愛らしく、花のように脆そうだ。
「………」
彼女は起きようとしない。
眠り姫のように深い眠りについているのだ。
眠り姫だったら、王子様のキスで目を覚ますだろう。だが彼女は魔女に魔法をかけられたわけではなく、春の陽の暖かさに転寝をしているだけなのだ。
「……?あら、イギリスさん」
彼女は、目を覚ました。
「お、おう。こんな所で寝てると風邪ひくぞ?」
彼女は上品に笑って、
「心配してくれて有り難う御座います」
と礼を言った。
「ああ」
「今日は陽が暖かくて、つい眠ってしまいました」
彼女はそう言って立つと、着物についた桜の花弁を払って再び笑った。
花弁は舞う
(まるで俺の心の内のように)
桜色の笑顔@薄雲
20101229
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