0096
雨が降る。
何の変哲も無い雨が降る。
現世の雨。
酸性雨。
それを私は見つめている。
わざわざ現世まで来て、大降りの雨を見つめている。
雨の中で。
「何をしている」
そう私を呼んだのはウルキオラだった。
「雨、見てる」
「見れば解る」
「そっか」
わたしはにこりと笑って再び空を見る。
綺麗じゃない汚い雨。
「何故見ている」
「別に、何となく」
「何故だ」
「解んない」
空から目を離さない私。
雨雲は私の上に覆いかぶさって微動だに退こうとしない。
それでも雨を見つめる。
「本当にもう、解んないや」
雨に混じって涙が流れたのは内緒の話。
(バレて、無いよね?)
(何故、泣く)
雨/相変わらずぐだぐだ@薄雲
20110527
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