0091
「ほらグリムジョー!できたよ」
「ああ、ありがとな」
俺が任務中に破いた服を彼女は縫ってくれた。綺麗な縫い目。実に器用だな、と感心する。
「グリムジョー、服はいくらでも破いてね。でも怪我はだめだからね」
そんな風に気遣ってくれる彼女。
心配性なのか俺が弱いと思っているのか解らない発言に俺は苦い笑みをもらす。
「そんなに弱くねえよ」
そうやって彼女の頭をガシガシ撫でる。
「髪ぐちゃぐちゃ」
「別に良いじゃねぇか」
「良くないよ、グリムジョーの髪もぐちゃぐちゃにしてやるっ!」
「届いてねぇ」
「ぐむむ…」
背の低い彼女は俺の頭の上に手を届かせるのが難しい状況。
悪くない。
「それより器用だよな」
「うん、そうだよ、手先はね」
「確かに感情に対しては器用じゃねぇよな。解らず屋だし」
「え、そうかな」
首を傾げて俺の顔を覗き込む彼女。
そういうところが解からず屋なんだよっ!それともそれは俺の本能を擽るためにやってるのか!?計算!?
俺には計算外だ。
器用と計算/そうだ!君の本能を擽るために頑張ってるのさ@薄雲
20110522
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