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0089


指の先から静かにこぼれた たった一つの幼いメロディー
頭の中で大きくなってく 世界を紡いで


君が紡いだ不完全な世界を この声で少しなぞってみたんだ
私がこうして君と居る意味を 幽かに感じた


どんな、どんな綺麗な言葉より
どうか、どうか貴方の言葉を
誰も、誰も認めなくて良いから
描こう 新しい景色を


いま始まる世界創造 二つめの未来へ
暖かい風を、眩しい星を、限りない命を
僕の頭の中で いま響いてる歌
きっと貴方と紡ぎ出す世界の始まりなのでしょう


貴方がなぞった不完全な世界は 確実な熱と光を纏った
僕が貴方の傍に居る意味を 確かに感じた


いま始まる世界創造 二つめの未来へ
暖かい風を、眩しい星を、限りない命を
僕の頭の中で 鳴り止まないメロディー
きっと貴方と紡ぎ出す世界に終わりは無いのでしょう


そして僕らの不完全な世界は 確実な熱と光を纏った
絶望も希望も怒りも涙も 全てを包んで...






「グリムジョーが居ないと死んじゃう」

彼女は唐突にそう言った。俺は突然の言葉にどう答えて言いのか解らず、質問した。

「いきなりどうした?」

「だってさ、グリムジョーのこと好きで、グリムジョーが居ないと私がこの世に生きている意味なくなっちゃうじゃん。好きだから、お願い。どこかに行かないでね?」

「行かねぇよ、それより何だ?死亡フラグか?」

「違うもん。グリムジョーの馬ぁ鹿」

窓から吹き込む暖かい風を肌に感じる。

外は暗い。いや、いつまでも、いつになっても暗いのは当たり前なのだが。

拗ねた表情の彼女の頬をつねってみる。吃驚するぐらい伸びる。

「いひゃいいひゃい」

彼女は俺の手をぺちぺちと叩く。俺が手を離すと彼女はにっこりと笑って言った。

「生きてるね」

「だろうな」

「ねえ、グリムジョー。私はグリムジョー好きだよ。鬱陶しいところも、皮肉なところも、嘘つきなところも、馬鹿正直なところも、全部纏めて好き」

「皮肉たっぷりに言ってるんじゃねぇよ。褒められてるのか貶されてるのか解らねぇじゃねぇか。まあ、俺もお前の事好きだけどな」

絶望も希望も、表裏一体だと、彼女は歌った。

俺はそれを信じて今日も彼女を愛でる。

genesis@薄雲

20110322


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