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0085
ワールドイズマイン

世界で一番おひめさま
そういう扱い心得てよね

その一 いつもと違う髪型に気が付くこと
その二 ちゃんと靴まで見ること いいね?
その三 わたしの一言には三つの言葉で返事すること
わかったら右手がお留守なのを なんとかして!

別にわがままなんて言ってないんだから
キミに心から思って欲しいの かわいいって

世界で一番おひめさま
気が付いて ねえねえ
待たせるなんて論外よ
わたしを誰だと思ってるの?
もう何だか あまいものが食べたい!
いますぐによ

欠点?かわいいの間違いでしょ
文句は許しませんの
あのね?私の話ちゃんと聞いてる?ちょっとぉ…

あ、それとね?白いおうまさん 決まってるでしょ?
迎えに来て
わかったらかしずいて 手を取って「おひめさま」って

べつに わがままなんて言ってないんだから
でもね 少しくらい叱ってくれたっていいのよ?

世界でわたしだけのおうじさま
気が付いて ほらほら
おててが空いてます
無口で無愛想なおうじさま
もう どうして! 気が付いてよ早く

ぜったいキミはわかってない! わかってないわ…

いちごの乗ったショートケーキ
こだわりたまごのとろけるプリン
みんな みんな 我慢します…
わがままな子だと思わないで
わたしだってやればできるもん
あとで後悔するわよ

当然です!だってわたしは

世界で一番おひめさま
ちゃんと見ててよね どこかに行っちゃうよ?
ふいに抱きしめられた 急に そんな えっ?
「轢かれる 危ないよ」 そう言ってそっぽ向くキミ

…こっちのが危ないわよ



「スターク!ほら、何か気が付かない?」

「髪型変えた?」

「それだけ!?有り得ないよ!スタークの馬鹿ぁ」

「新しいヒールも似合ってるな」

「はぁ!?私に似合わないものがこの世に存在するとでも言いたいの?折角スタークの身長に合わせてあげたんだから感謝しなさいよね?良い?返事は三言以上で返す事!」

「有り難う。感謝するよ。こけない様に気をつけろよ」

「皮肉ぅ?」

「いや、違うから」

彼女はいつもこんな感じだ。今日のデートだって傲慢で。でも俺はそんな彼女に惚れている。

「ね、ねぇ」

「ん?何?」

「あ、いや…」

「ああ、手、空いてるな。繋ぐか」

そう言って彼女の手をとると彼女は真っ赤になって呂律のいまいち回らない口調で

「ま、まぁ別に繋いであげても良いんだけど感謝しても良いんだからね?」

と言った。正直になって欲しい。

「じゃ、何処行く?」

「今すぐ甘いもののクレープ食べたいなぁなんて思ってたり思ってなかったりそんな事本当は如何でも良かったり別にここにいるだけで幸せなのかもしれないしそうじゃないかもしれないしそれでもクレープ食べたかったり苺のクレープが良いけどでもチョコバナナクレープも食べたかったりそれからスペシャルも食べたいなとか思ったり思わなかったりしてでもやっぱりクレープが…」

「はいはい、解った。食べたいのか。そうか」

「そうだけど何?」

藍染様曰くツンデレ少女。はっきりしないし思ったことと逆の事を言ったり言わなかったりするらしい。

「解った、買ってくる」

「待たせないでよ?待たせたるなんて論外だからね?」

「おう」

今のがデレだと俺は定義する。

傲慢さもツンデレ故に。だがツンデレっておい。ツンデレって何だ。はっきり物事を言えず照れ隠しでツンツンしてるっておい。

クレープを買って彼女のもとへ行くと少し怒り気味の表情で彼女は待っていた。

「もう!遅いじゃない!何で白いお馬さんに乗ってないの?予定では白いお馬さんに乗って「お姫様、お手をどうぞ」って言う事になってたでしょ?意味解んない!」

「いや、意味解らないのはこっちだから。てかその性格ってそうとう欠点だよな」

「欠点?は?意味解んない可愛いの間違いでしょ?文句は許しません!あ、あれ?私の話聞いてる?ねぇ、ちょっとぉ…」

俺がクレープに齧り付くと彼女は寂しそうにそう言った。おいおい。

「ん?」

「別に私は我侭なんて言ってないでしょ?ねぇ、どこが傲慢だって言うの?文句は三文字以内に収めて」

「おいおい」

「もう、ちょっとくらい叱ってくれても良いんだからね?じゃないと我侭で嫌われちゃうじゃない!」

彼女は矛盾した事を言ってクレープを一気に食べた。

そして再び歩き出す。

彼女の視線が気になって彼女の方を見ると彼女は顔を赤らめて視線を逸らした。

あ、そういう事。

彼女の手を握ると彼女はいきなり手を叩いて離した。

「な、ちょ、いきなり何するの!?セクハラ!?」

「いや、手、空いてるから繋ごうと思っただけ」

「べ、別に繋いであげても良いけど?」

彼女は偉そうに手を出した。俺はそれを軽く笑ってとる。

「苺のショートケーキとプリン、どっちが良い?」

彼女にそう問うと彼女は首を横に振った。

「要らない」

「前食いたいっつってたろ?」

「要らないっていってるでしょ?乙女心の解らないやつね!」

いや、なんだろう。

そろそろ日が暮れてきたし久々の休日も終わっちゃっうんだけど?

彼女はいきなり手をぱっと離して走って行った。

ヒロイン(目、離したら。どこかに行っちゃうよ?馬鹿!)

いきなり走り出した彼女を追って走る。

目の前の交差点の方から車の音がし、彼女が轢かれない様に抱きしめた。

「轢かれるだろ!?危ねぇな!」

そう耳元で囁いてみる。目の前には大型トラックが走って行った。

危ない。

彼女は不意に呟いた。

「こっちのが危ないでしょう?」

確かにそうかもな。


world is mine@薄雲

20110316


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