[携帯モード] [URL送信]
0084
※一人語り多。


モザイクロール

とある言葉が
君に突き刺さり
傷口から漏れ出す
液を「愛」と
形容してみた

思いやりの欠如と
形だけの交尾は
腐れ縁の
キミとアタシによく似ている

「それでも好き…。」
とか(笑)

愛したって
いいじゃないか
縛り
誰も
触れないよう

これも運命
じゃないか
消える
消える
とある
愛世

終わる頃には
君に飽いてるよ
愛か欲か分からず
放つことは何としようか

思いやりの欠如と
形だけの交尾は
腐れ縁のキミと
アタシによく似ている

それでも
いいから…。

愛したっていうのですか?
しがみついて
藻掻くことを
殺したっていいじゃないか
キミが嫌う
アタシなんて

愛したっていいじゃないか
縛り
誰も
触れないよう

これも運命じゃないか
消える
消える
とある愛世


“ウルキオラ視点”

彼女の言葉が俺に突き刺さる。

「嫌い」「視界から消えれば?」「笑わせないで」

彼女は俺を嫌っているらしい。

彼女は俺の恋人であり、性的行為をした仲でも有り、唯一俺が笑いかける事のできる対象だ。

だがこの頃彼女の放つ言葉といえば

「嫌い」「何で来たの?」「帰って」「消えて」

その類のものばかりである。

だが俺は彼女をそれでも好きなのである。大真面目に、隅から隅まで、端から端まで、一ミリも余す事無く愛してる。

愛するのは人の勝手であり、誰も触れないよう縛ったように見張り続ける事も俺は愛と定義する。

彼女と俺が、この広い世の中で出会えたのは腐れ縁と言う名の運命である。それ以外、何と言おうか。

彼女が無視するごとに消えていく気がする俺から彼女へ送った愛は、この世の一部と俺は言う。

この戦争の全てが終わる頃には、君への愛も飽きているのかもしれない。

無理矢理彼女に放つ愛か欲か判らないことは何と定義し、何の名称を言ったら言いのだろうか。

それでも、もう良い。そう俺は感じてきた。これは愛の終わりを告げているのだろうか。

彼女は俺の事を「愛してる」と言った。それは本当に愛なのか?生きるために俺にしがみつき、生きるために戦場でもがき、生きるために言った言葉だったのではないか。

「く…苦しいよ、ウルキオラ!」

彼女の首をキリキリと絞めてみる。俺を嫌う彼女などこの世に要らない、そう、そう脳裏を過ぎった。

彼女の口から得られ、出て行く酸素が少なくなってきたところで、彼女は顔を青くして、瞳から涙を流し始めた。

ようやく俺は気付く。

「貴様が嫌う俺等、この世に残る価値は、一ミクロも無い。故に俺が死ぬべきなのか」

彼女は驚いた表情で俺を見る。

彼女の首から手を離し、その手で自分の首を絞めてみる。確かに、苦しい。

「やめてよ!」

「何故だ。俺の事が嫌いだろう?違うのか?」

「違う!」

「では何故俺に対する言動は否定的なのだ」

「それは」彼女は息を呑み、恥ずかしそうに言った。「照れ隠し」

俺は呆気にとられた。照れ隠し、ただそれだけであそこまで言うのか、と。

「ごめんなさい」

彼女はそう謝り、恥ずかしそうに俺の手をとった。

「愛するが、故に…」

愛するが故に、嫌う。

モザイクロール@薄雲

20110316


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!