0081
「は?」
「わあ一護おかえり、ごはんにする?お風呂にする?それとも私ー?」
「いやいやいや、何で俺の部屋にいるんだよ」
「そりゃあ何でって私ここ以外泊まれる所ないじゃないですか」
学校から帰って部屋の扉を開けるとそこはパンドラの箱だった。死神特有のそれを纏った彼女は俺のベッドの上でえへへーと笑いながらちょこんと座っていた。俺も男だぞオイなんて思いながら机の上に鞄をポンと置く。そして椅子をくるっと回して彼女の方を向く。彼女は刀を既に腰に刺さずにベッドの上に投げ出している。完全無防備状態だ。それだけならまだ良いがベッドの上にはポテチとかチョコレートとかをぐちゃぐちゃにして置いてある。清潔感のあったベッドは既に漫画で出てくる野球少年やらの部屋のようにぐちゃぐちゃだ。人の家だからと言ってこうまで汚す彼女の部屋が見てみたいなどと溜息を吐きながら彼女に話しかける。
「で、何でここにいるんだ?」
「ん?ちょっと休暇がおりたから現世に遊びに来たの、でもね、大変な事に宿泊先が決まらずにふらふらしてたら思いついたんだよね、一護の家があるじゃないかっ!てね」
「ていうか休暇何日間だよふざけてんのかオイ」
「うん?休暇は一週間だよ、終わるまでずっと滞在していようと思ってねえへへ」
「えへへじゃねェよ!」
「ちょ、怒んないでくださいよ怖いなもう。一週間ぐらい泊めてくれたって良いじゃないですか。ここの部屋小さいけど綺麗だし掃除しなくて良いから楽じゃないですか、ね?良いでしょ?」
「ね、良いでしょってお前な、ここは俺の部屋だ出てけ今すぐ出てけ」
「いやんっ!こーんなに可愛い女の子が夜ふらふら出歩いたりしたら虚(ホロウ)に襲われちゃうんじゃないですかぁ」
「死神だろうっ!?」
「死神だってやられる時はやられちゃうんですよ。それに私、虚(ホロウ)退治大の苦手でして、今まで倒した虚(ホロウ)の数なんて数える程しかいないんですよ、アハハ」
「お前それでも死神か!?」
「イエスなんですよ、第三席、えへへ」
「お前なんかが第三席って言うのがどうも俺は気に食わねぇよ」
「一護が気に食わなくても私は私なんですよ」
意味不明な解答も彼女の一種特徴。
「まあ、そこ、貸してやっても良いけど絶対この部屋から出るなよ、俺以外にも見えるから勘違いされても困るしな。とにかく静かにしとけ、暴れるな」
「了解ですよいっくん」
「誰がいっくんだ馬鹿野郎」
彼女は敬礼してまた無邪気に笑った。
(あ、お休みなさい、一護は床で寝てね)
(お前が床で寝ろ)
俺の部屋を占領するな/アンケートで見つけたのでやりました@薄雲
20110521
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