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※7777hitリク。切甘のつもり。同僚の十刃ヒロイン。




「いや、何でもない」

彼女の言い放った無造作で理不尽な言葉に、俺は酷く冷静かつ容易な言葉を向ける。

「そうか」

全く、とんだ幻想だ。



「私の番号?」

「そうだ」

彼女の太ももに刻まれた番号。十刃(エスパーダ)象徴であり証拠の番号に彼女は目を向ける。4.5。微妙な数字だ。

「何で少数なの?」

「それは藍染様に訊け」

「別にそこまでして知りたいなんて思わない」

不思議そうな表情を浮かべた後くるりと回って彼女は歩き出した。俺に背を向け、自宮へと向かう。
俺の心配など不要という軽々しい歩き方。

それが彼女の“最初”だった。



十刃(エスパーダ)に慣れてきた頃、彼女は任務も難なく一人で遂行していた。
俺にとってはどうでもいい。

数日後、俺は彼女と組んで現世で死神と一戦交えることになっていた。

会話のないまま現世に辿り着く。
すぐに死神どもは俺達の霊圧に気付きやってきた。

特に興味も無い死神に時間はかけられない。4人のうち3人を俺が始末した後彼女の方を向く。彼女もその死神の一人を倒していた。かなり苦戦したらしい。十刃(エスパーダ)とは思えないほどの傷。

「おい」

「何?」

冷たい視線を返す女。
全く、憎らしい。

「その腕はどうした」

刀傷を抑えている手。知っていて訊いた。

「斬られただけ」

「再生は」

「私にはできない」

何でも彼女は再生ができないらしく顔を顰める。かなりの大量出血だ。

俺は止血をしようと近寄ったが彼女から遠ざかっていった。

「触るな」

そう言い放たれる。

俺の中に憎悪が生まれる。

「何だと?」

「だから、気安く触るなと言っている」

ふいっ、と顔を背ける彼女。
かなり痛いであろう腕。

「そのままでは死ぬぞ」

「構わない、私は死ぬべくして生まれてきた」

「だが」

「良いから放っておいてくれ」

そう言って俯く彼女を俺は貶めるような視線で見ていた。数分間威圧する。だがその数分後、彼女は倒れた。



「ん……?」

彼女の目が覚めたのは明くる日。
酷く青白い顔をしている。虚ろの目で俺を見据える。

「起きたか」

「……何だ、用か」

「看病してやったのにも関わらずその言い様か」

「放っておけ」

「……大した物言いだな」

「貴様には関係ない」

「何故だ」

「私に関わろうとするな」

「理由を訊こう」

「……っ!」

俺は彼女の顔をこちらに向けてやった。目のやり場に困る彼女を容赦せず見つめる。

「言えないのか」

「これ以上、私の心に入り込むな、でないと、私が可笑しくなる」

頬を真っ赤に染めて涙ぐんだ視線で俺ではない方を見る。

「俺が嫌いか」

「そうじゃないっ!でもっ!」

でも何だ。

「好きになっちゃいけないでしょう?」

「誰がそんな事を言った」

「……誰も」

「では何故自分を縛る」

「それは」

「好き嫌いは自由だ」

そう言って彼女を放し、背を向ける。

俺は、彼女のことが好きなのに、彼女は俺を特別視する。気に入らない。

「待って!」

彼女は俺を呼び止める。俺は振り向かずに立ち止まる。

「好き、貴方が、ウルキオラが、好き」

必死の震えた声に俺は振り返った。

その後言った言葉は「俺も」「貴様を」「愛している」だった事は言うまでもなく当然で必然的な運命だった。

瞳に写る幻想/7777キリリク、葉音様のみお持ち帰りOK、文句OK、書き直しもお申し付けください@薄雲

20110520


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