0069
「へくしょんっ」
「花粉症か」
「うん、そうなのへくしゅんっ」
先ほどからくしゃみの止まらない彼女。ティッシュをはなさない。
「大丈夫か?」
「全然大丈夫じゃなはっくしょんっ!」
「オイオイ。空気清浄機買えよ」
「生憎私みたいな貧乏学生のお小遣いじゃ買えなへぶしっ」
「……マジで大丈夫か?」
「誰かが私の噂をしているみたいなぶえしっ」
「誰もお前の噂なんかしてねーから安心しろ」
「はぶしっ」
「既に会話にならねー!」
彼女はその後この時期が終わるまで花粉症が治まらなかった。
俺はちょっと花粉の野郎に嫉妬した。
どうせなら俺と一緒に居たい症とかになりゃ良いのに。
花粉症/ああ会話させて@薄雲
20110513
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