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0067
「現世の、空?」

彼女は首を傾げた。

「おうそうだ」

俺はそう言っていつもの意地悪げな笑みを見せる。

下級破面(アランカル)の彼女は現世に行く事のある任務を任せられたことが無い。いつも飯作ったり掃除したりと雑用ばかりで女の破面(アランカル)からは嫌味ばかり言われている所謂苛められっ子という者だ。だが彼女はそんな嫌がらせ“平和が一番”をモットーにポジティブな思考で流している。この頃は藍染様のお気に入りとかなんとか言われているが思考回路がガキの彼女は逆に喜んでいたりする。まあそれはさておき、彼女は現在俺の支配下にある。基本的に俺の身の回りの世話をしているが小回りが利くからかなり気に入っている。で、今は既に妹のような存在だ。いや、妹なんていた事ねえからどうとか言えねえがな。彼女に嫌がらせをするのは俺の日課のような物で、彼女はその嫌がらせをすんなり受け止めるからまた面白い。

「どんな色なの?」

彼女は興味津々といった表情で俺の顔を覗き込む。くそっ、可愛いじゃねえか。

「色んな色だ」

「え、緑とかピンクとか?」

「ピンクに緑って、それより現世の青空は綺麗だぜ?」

「青、空?藍染様が作った空とどっちが綺麗?」

「まあ現世だろうな。俺の髪の色と一緒なんだぜ?」

「うわぁそれ見てみたいなあ、でも私弱いから現世なんか行かせてくれないよね、藍染様が」

そう言って残念そうにする彼女。

「まあそのうち俺が連れてってやるよ」

「え、本当!?やった!約束だからね?絶対だよ?」

「おうよ」

俺は彼女の頭を荒々しくガシガシ撫でた。綺麗な髪がぐちゃぐちゃになる。そんな可愛い笑顔振りまいてると痛い目みるぞ。なんてな。

空を見てみたい/同じような話ばっかでつまんないかな@薄雲

20110511


あきゅろす。
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