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※現パロ

彼女は真っ白なワンピースをひらひらと靡かせて、俺の名前を読んだ。

「グリムジョー!」

楽しそうに笑う笑顔は薄っぺらで、なんとなく寂しそうだった。
でもそれなりに可愛かった。

「おう、イリア」

俺は小さく笑ってイリアのところまで歩いていくと、駆け足の彼女はこけそうになった。

「うひゃぁ」

それを急いで食い止める。

そのままこけたら恥ずかしすぎるだろう。なんていう思いを抱きながら。

「大丈夫か?」

俺の右手で微笑む彼女。

「うん、大丈夫、グリムジョーありがとうね?」

「ああ」

体制を立て直し、彼女は今日の目的地へと歩き出す。

「久し振りのデートだね?」

「そうだな」

俺は彼女の横につき、手を勝手に握って言う。

今日の予定は『可愛いワンピース探し』らしい。

今のままで十分可愛いなどでは物足りないらしい。

「あ、グリムジョー、こっちの可愛いよ!」

「緑のグラデーションか、ちょっと嫌ぇなやつ過ぎった。他ねぇのか?」

「うーん、あ、これは?」

次はピンクのグラデーション。

「青ねぇのか?」

「品切れだって」

『グラデーションワンピース・ブルー好評のため品切れ』と記されたプレートを指差す。

「グリムジョー選んでよ!」

無邪気に笑うイリアに俺は負け、ワンピースを一枚一枚見ていく。

「これはどうだ?」

手にとった一枚のワンピース。

細かい浅葱色のボーダー。

「わあ!可愛い!これならグリムジョーとお揃いだね?」

俺の髪を指差すイリア。

「ああ、そうだな」

俺は小さな事だが、世界が破壊されるぐらい嬉しかった。

ボーダー/ワンピースをくるくるさせたい願望@薄雲

20110506


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