0059
「じゃじゃーん!ザエルアポロとお揃いなんだよっ!現世で買ってきた!」
イリアはそう言って自慢げにそれを見せ付けてきた。
眼鏡。
彼女は赤縁眼鏡をかけている。
どうやら現世で拾ってきた、または盗んできたらしい。
「それが、どうした」
俺は大きな疑問を抱えることなくそう言った。
「なんとも思わないの?」
「視力が低下したか」
「いやいやそういう感想は求めた無いから。求めてるのは『かわいい』とか『クール』とか『似合ってる』とかだから。あ、序でに視力は全く低下してません。アマゾンに住む無駄に露出の多いお姉さん達の如く8.9だからご安心を」
「……それは似合っていると言って欲しいのか」
「ご名答」
「カス」
「酷ぇ!!」
「当然のことを言ったまでだ」
「うああああ!イジメだ!偏見だ!差別だ!」
「………」
「あ、解った!それって羨ましいんでしょ?嫉妬でしょ?ジェラシーでしょ?ザエルアポロと私が一緒の物持ってるからウルキオラ嫉妬してるんでしょ?わぁい!ウルキオラ心が狭い!」
「……」
「あ、認めた?ウルキオラって判りやすいね。あ、でもね、ウルキオラにも同じやつ買ってきたんだよ?」
イリアは懐に入れていたらしい物を出した。黒縁眼鏡。
「それをかけろと言うのか」
「うん!」
「嫌だと言ったら?」
「無理矢理かける」
眼鏡
(ちょ、待ってよウルキオラ!どこに隠れたの?)
(藍染様とお揃いは気が引ける)
眼鏡をかけさせて見たかっただけだよ@薄雲
20110506
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!