0057
イリアはウルキオラとノイトラを従えて俺のところまで歩いてきた。
だが不自然な事に、イリアはタッパーを、ウルキオラは紙袋を、ノイトラは武器ではなく変なヒラヒラがついた棒を持っている。
「グリムジョーねぇ聞いて!今日はグリムジョーの日なんだよ!」
「俺の日?ノイトラの間違いじゃないか?」
「いやいや、もう。グリムジョーは知らないの?市丸様と藍染様曰く今日は現世で“こどもの日”っていうイベントがあるの!子供のための日なんだよ?まさしくグリムジョーの日じゃんか!」
「まさしくそうではないか。ガキ」
「お似合いだぜ?」
「…それは俺に喧嘩を売っているのか」
「違うよ!お祝いに着たんだよ!かしわ餅とか持ってきたの」
「……リリネットとかじゃねぇのかよ」
「だってリリネットは女の子だもん。男の子の日なんだよ」
「なんでも“兜”を被るらしい」
と、ウルキオラが紙袋から日本の源平合戦に使われそうな兜を取り出した。
「それで“鯉幟”を掲げてだなァ?」
ノイトラがちゃっちぃ布で作られた鯉幟と言うものを俺に向ける。
「で、何だ?」
俺が問うとイリアは「えへへ」と無邪気に笑った。
「いえいえ、お祝いしようと思ってきたんですよ!一緒にこどもの日をエンジョイしましょ?」
イリアの笑顔に俺は負けた。
こどもの日/ガキの日なのかもしれないな@薄雲
20110505
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