0055
※学パロ
「好きだったのかなぁ」
「はぁ?」
曖昧模糊な溜息を吐く彼女。屋上で藍色がかった黒髪を太陽の光と髪に晒して溜息を吐く少女の姿は何とも言えない。綺麗なのかもしれないが、彼女を見ているだけでこちらも憂鬱な気分になってしまうからだ。苦し紛れに吐いたと思われる溜息という名の気体は周りの人間に影響を与えるだけだった。
「ねえ先生。先生は女の人好きだった事ってある?」
「既に過去形かよ」
そんな風に歪な質問をしてくる不可思議な性格の彼女は少し期待した眼差しを俺へと向ける。所謂、俺が失恋した事かあるかどうか訊きたいのだろう。過去形だから。だが、そんな心理的な質問、俺は答えられない。いくらなんでも無理がある。教師的立場でそんな個人的な事言って良いのか判らない。というか何で恋愛相談なんか受けなきゃいけないんだよ。
「ねえ、どう?」
「さあな」
誤魔化したが彼女は満足がいかなかったらしく膨れた。
救う/相変わらずぐだぐだ@薄雲
20110504
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