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「あっちゃぁ…ここどこだろう」

なんて呆れた顔で言う女が俺の前にいた。

「迷子かよ」

「うん、迷子」

可愛いとも格好良いとも綺麗とも重なる彼女の呆けた表情は、どこか寂しそうだった。

「破面(アランカル)か」

「うん、破面(アランカル)」

凛としたとも無邪気だとも言えない薄っぺらな困った笑顔。

「えっと名前は?」

「解んない。忘れちゃった。お兄さんは?」

「コン」

「変な名前」

「名前ない奴に言われたかねぇよ」

彼女と共に苦笑する。

「帰んなきゃいけないの。でも道解んないの」

「そりゃ俺も知らねぇや」

「迎えが来るまで帰れない」

「んじゃ、それまで俺と話すか?」

「ううん、それはできない。だって私と話したって知られたらコンさんが殺されちゃうもん」

「そっか」

「うん、じゃあね、コンさん。また縁があったら会おうね?」

「おうよ」

真っ白な服を着た名も知らぬ彼女に、俺は惹かれていた。

箱入り娘/コンとか使ってみたかった@薄雲

20110503


あきゅろす。
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