0039 「あ、あれれぇー?何だろうこれー」 隣の席に座る彼女は首を傾げて猫のように唸った。 「どうかしたか?」 「え、いや、何でもないんだよ」 現在テスト返却中。教科は数学。 「そんなにテストの点数悪かったのかよ」 「え、うん。まあまあ悪かったかな、なんて。一護のも見せてよ」 「あ?まあ良いけど」 そう言って彼女にテストを差し出す。 「ちょ!89点!!??」 彼女の声は教室中に響いた。クラスの奴らが一斉にこっちを見る。かなり驚いている。特にケイゴが。 まあ、それは良いとして。 「で、お前のは?」 「い、いやぁ、何でもないって」 彼女は机に自分のテストを突っ込んだ。女とは思えないほど雑な素振りで。笑顔だが、無理してるようにしか見えない。 「ふーん」 俺は自分のテストを取り返して再び点数を見た。 89点。 良いのか悪いのかなんて全国テストじゃないと解らないが。 「で、点数は?」 「あ、あはは」 「そんな点数あるわけねぇだろ!」 「いやぁ、もう良いからほっといて?」 「良いのかよ」 「良いの良いの」 結局彼女の点数が何点か解らないかったが、そのくらい悪かったという事だろう。 そろそろ受験だが……大丈夫かよ。 勉強見てやっても良いんだぜ? そのくらい悪い/どんな点数@薄雲 20110405 |