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0149
「グリムジョーの……」

彼女は大きく息を吸い込んだ。次に来る言葉は「馬鹿」とか「最低」とかだろうと思いつつ大声が発せられる事は必然的だったので両手で耳を塞いだ。

「えっちいいいいいいいいいい!!」

何だ、それ。

彼女は目をゆっくりと開いた。

ギッと、俺を睨む。

「あぁ?」

「だってグリムジョーの部屋からここここんな物でてきたんだもん!」

彼女は紙袋を二つほど俺の前へと放り出した。それにはいくつもの如何わしい雑誌とかDVDとかが入っている。どれも現世の物だ。多分、ノイトラが仕込んだのだろう。ノイトラは暇さえあれば誰かにちょっかいを出す。例えばどっかの4番の部屋の壁全面にオタクなポスターを貼ったり、どっかの1番の寝てる間に顔に落書きをしたり。

「どどどういう事ですか!不健全です!汚い!」

そこまで言われれば俺も少しイラつく。

「何言ってンだよ!それはノイトラの悪戯だ!」

「何でそんな風に言えるの?証拠が無い限り解らないわよ!なのにノイトラ様って決め付けるところが嘘っぽい!最低!もう別れる!こんな不健全者と付き合うなんて嫌!」

「ンだと?俺が信じらんねーのか!はッ、それなら……」

「知らない!もう近寄らないで!」

俺が言いかけて彼女は叫んだ。その為俺の言葉は掻き消される。彼女は俺の自宮を慌しく出て行った。

「そっちがその気なら」

俺は彼女の背を追った。移動速度の遅い彼女には早速追いつく。彼女の手首を掴むなり彼女は俺の手を叩き出した。

「触らないで!変態!」

叩かれた部分がジンジンとする。痛いってわけじゃあねーが。

「話を聞け」

「やーよ!」

「聞けって」

「やだっ!」

「だから、」

強情な彼女と強引な俺。

バンッと大きな音をたてて彼女を床へと押し倒した。衝撃の痛さに彼女は呻いた。そして泣き始める。

「あれは―――」

「グリムジョーは雑誌の女の子に興味なんか無いと思ったのに」

「は?」

「私があんまり体つき良くないからあんなの見るんだ、私よりも」

「馬ー鹿」

俺は彼女を無駄に強く抱き締めてみる。

「何、よ」

「だーから、本当にお前以外興味無ぇって!」

「嘘」

「人間の女にも破面(アランカル)の雌にも興味無ぇ、お前以外はどーでも良い」

「だって」

「だからあれは本当にノイトラがやったんだ、嘘だと思うなら従属官(フラシオン)にでも訊いてみろ。東仙のヤローにモニターでも見せてもらえ」

「本当に本当なの?」

「おう」

「じゃあさ」

キスしてみせて
(いくらでも)

ノイトラが悪戯するのも楽しそうだなあって@薄雲

20110916


あきゅろす。
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