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いきなり転校していった彼女は確かにこの教室で笑ってた。

有沢や井上とも仲良かったっけな。

俺とは話した事なかったけど笑いかけてはくれたな。

それにしても違和感のある笑顔だったな。

違和感のある雰囲気でもあったっけな。

あの笑顔の裏には何が有ったのだろうか。

人間じゃなかったような。

いや、こんなん失礼か。

だがどことなく破面(アランカル)を思わす雰囲気をかもしだしてたっつーか。

今となってはどうでもいいが。

「そりゃあ破面(アランカル)だもの」

真っ白い服を来た女は教室の隅にただ座り込んでいた。頭に乗せている欠けた仮面がそれを証明していた。

割れた仮面に、その笑顔。

「悪い予感的中、か」

霊媒体質も最悪なもんだ。

「うんそう。藍染様に頼まれて観察してたの」

そうやって笑う彼女の笑顔はどう見たって哀しそうだった。本当はこっちで、井上や有沢と一緒に笑っていたかったのではないのだろうか。本当はこっち側の者になりたかったのではないのだろうか。彼女はゆっくりと立ち上がると腰にさしていた斬魄刀を抜いて構えた。自信があるかどうかは解らないが、決心だけはしてきたらしい。あっち側の者になる決心。それは揺ぎ無く彼女の中にあり、彼女のものだ。いや、もしかすると藍染に植えつけられた恐怖からのものかもしれない。そう思うと無性に藍染が憎くなった。

「くそっ」

死神と破面は結ばれない
(最悪な相対と敵対を憎む俺)

20110528
20110810


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