0141
藍染主催のパーティー。
強制的に十刃(エスパーダ)出席。その他、自由に来て良い。
そんなふざけたルールのパーティーに俺は強制的に参加させられた。
ちょっと行けば良いのだろう。遅刻厳禁等とは言っていなかった。
俺は理解したうえで、遅刻していった。
が、それは大きな失敗だった。
「ぐりむじょー」
「おいおいおいおい、何やってるんだよ。イリア」
イリアこと俺の彼女はぐてっと会場の隅の椅子に座っていた。
ていうかこのパーティー参加したのかよ、という疑問が俺を纏う。
「遅いぞ、下衆」
彼女の隣にはウルキオラがいた。
「ちょっと待て、お前なんでイリアと一緒に居るんだよ」
「この女がいれば貴様も遅刻せずに来ると計ったのだが。計算外か。女なら今グレープジュースとワインを間違えて飲み、この様だ。責任は貴様がとれ。ちゃんと見張っておかない貴様が悪い」
「そうだ、グリムジョー、お前がちゃんと躾とかねーのが悪ぃんだよ」
と、何処から出てきたのかノイトラ。ウルキオラが小さく舌打ちしたのはまあ放っておくとして、俺の今の問題はイリアだ。
「イリア、大丈夫か?」
「ぐりむじょー、め」
彼女の頬に触ると彼女は子供に何か叱るように「めっ」と言ってきた。完璧に酔ってる。
「「ぶっ」」
ウルキオラとノイトラは噴いた。テメェら、後で覚えてろよ。
「貴様には似合いの言葉だ、ガキ」
「お似合いだなぁオイ」
何でこいつら仲悪ぃくせにこういう時だけそろって同じ事言うんだよ。
俺を貶して二人はパーティーへと戻っていった。俺と彼女は残された形となる。
「イリア、大丈夫か?」
「ぐりむじょーが生きてれば大丈夫。大好き!愛してる!」
と言いながら俺に思いっきり抱きついてきた。さっきの態度とは大違いだな。
「大好き、かよ」
「うん!ぐりむじょーがいれば何だって出来ちゃうんだからね?ぐりむじょーの為なら何だってできちゃうんだからね?凄いでしょう?」
子供のようにはしゃぐ彼女の額に俺はキスをする。いつもは公衆の面前でこういう事をすると狂ったように怒る彼女だが、今はそんな事どうでもいいらしく椅子から立って俺の胸へと顔を埋める。
「大好き」
質量の無い言葉を重く感じる。
「ああ、俺もだ」
たまにはこうして甘えてくる彼女も良いかもしれない。
顔を上げて俺の顔を見ようとするイリアの額を優しげに撫でる。まどろんだ瞳が俺の本能を擽る。限界に近くなったところで、俺は彼女に、キスをした。
本音/昔あったサイトの100hit、親愛なる郁香様へ@薄雲
20110323
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