0139
夏祭りに誘われたからノイトラと一緒に夜店を回る事にした。射的屋とか輪投げとか、色々回って少し行ったところに私が少し楽しみにしていたものが見えた。
「あ、ノイトラ。見て」
「あァ?」
真っ赤な金魚がすいすい水中を泳いでいる。たまに黒い出目金が泳いでいるけど、やっぱり真っ赤な金魚が可愛かった。ゆらりゆらりと尾鰭を揺らして泳ぐ姿は私の心を十分魅了した。綺麗だねえなんて呟きながらそれを指差すとノイトラが「おっさん、二つ」と言ってポイを買った。
「ほらよ」
「有り難う。良いの?」
「ああ。ところでどれをすくうンだ?」
「ええっと、赤いのが良い」
ゆらりゆらありと、金魚が泳ぐ。私は金魚をすくうべく勤しんだが、全くすくえず、おじさんに金魚を三匹もらった。横目でノイトラを見ると、ノイトラは何匹も真っ赤な金魚をすくっている。
「すごい!」
「こんなの簡単じゃねーか」
その後、何匹かすくったあとポイは破れた。だいたい、十六匹。おじさんも吃驚していた。それを袋に入れると「ほらよ」と私に渡してくれた。「有り難う」もう一度お礼を言って金魚を見る。可愛いなあと微笑むと、ノイトラは私の頭にポンと手を置いた。ノイトラの頬はちょっと赤くて、可愛かった。
可愛い金魚と彼
(ノイトラかーわい!)(うっせー)
金魚って可愛いですよね@薄雲
20110731
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