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「ナイフなんて持って何してるの」

「何って、見て解らないかな」

「解るわけないですよ。ちょ、危ないんで近づかないで下さい。こっちに来ないで下さい」

サバイバルナイフ片手にひたりひたりと私の方へやってくる藍染惣右介。私は彼から遠ざかる。きらりと光る刃。やだ、殺されちゃう。なあんて余裕を無くしてきた私の背中にトンっと壁がぶつかった。逃げ場が無い、このままでは本当に斬りつけられる。

「私、生きたいです」

「生きれば良いじゃないか」

「生かしてください」

「頑張って生きたら良い」

ああもう何でこう近づいてくるのかしら。本当に、本当に。

「そーちゃん」

「初めて呼ばれた」

「うん、そうなの?」

「ああ」

頑張って話を逸らそうとしてるのに彼はいつもの笑顔で近づいてくる。そんな清清しい笑顔で近付かないで下さい。ムカつくから。も、本当に、何で。

「服にタグついてるから、切るよ?」

「え、そっち?」

「もしかして僕が君を殺すと思ってたわけ?」

「い、いやいや、そんな事思うわけが無い」

「そうだよね」

その笑顔、止めて欲しい。

笑顔とナイフ
(心臓止まるかと思った)

突発的すぎるだろう@薄雲

20110729


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