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0133
※学パロ


さっきからずぅっと激しい雨が地上へと降り注いでいる。私は雨で濡れた髪やら服やらを拭きながら溜息を一つ吐いた。窓の外で振り続けている雨が止まない限り家に帰れない。というのも学校帰りに急に雨が降ってきて、彼氏のウルキオラの家で一休みさせてもらっているのだ。やけに家具や物の少ない部屋の窓から降り続ける雨をぼぅっと見ていると、ウルキオラはブラックコーヒーをことんと机に置いて「飲め」と言ってくれた。優しいなあと思いながらそれを一気に飲み干して「有り難う」と笑いかけた。

「ねえウルキオラ、パソコンつけて良いかな」

「好きにしろ」

「ん、有り難う。気象庁のサイト見るだけだからすぐ終わる」

そう言って常に起動しているパソコンでインターネットを開き気象庁のホームページで天気予報を見ると一時間後ぐらいには晴れる予報だった。安心して「一時間ぐらいしたら止むらしいよ」と笑いかけると「そうか」と短く答えられた。自分の家のソファに座るようにどかんと図々しく腰をおろし机の上にあるクッキーへと手を伸ばした。高級そうだなあなんて思いながら一口。流石、美味しかった。

「ね、ウルキオラ。これどこのお菓子?」

「知らん」

結構短く断ち切られた。だから本当に知らないという事を理解しぽりぽりそれを食べる。本当に美味しい。

「おい」

「あ、ごめん、図々しかったよね」

「いや」

「ん?」

私が首を傾げると彼は一瞬、戸惑ったような表情を見せた後、視線を外へと移した。それでも降り続ける雨。静けさが支配する部屋。何だか気まずい。重い空気をどうにかほぐそうと考えるが何も思いつかない。彼は彼で凄く真面目な表情で私に視線を移すし、どうしたら良いか解らない。それでも止む事無く降る雨に嫌気が差してきた。

「進路を、決めようと思うんだ」

重々しく口を開けた彼。私は「え?」なんて間の抜けた声をあげてしまう。

「予定通りの大学を受けて、大学院に行った後アメリカで生物学をやろうと思う。まだ決まったわけじゃないが」

「ウルキオラすごいね!私応援するよ!」

なんて笑顔で応えてみると彼は切な気なまあるい透き通った瞳で私を見た。何かを訴えかけるような視線に私の笑顔は崩れる。

「そうなった時、付いて来てはくれないか」

「そ、それはどういう意味で」

「嫌なら良い。だが俺は、どこまでもついてきてほしい」

「いや、最初からどこまでもついていくつもりだけど?」

彼は一瞬驚いた後、鼻で笑って「やってみろ」なんて言うもんだから私は全力でついていこうと決意した。序でに這ってでもしがみついてやるとかいうのも思ったとか。外を見るとまだ雨は降っていた。晴れる気配は無い。

It doesn't stop <止まないね>
(こんな日が無ければ)(言えなかっただろう)

染まる世界様提出@薄雲

20110724


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