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※浮気性グリムジョーと、それでも一緒に居るヒロイン。25歳。




23:00。時計で再度時間をチェックするとそんな時間だった。それでも躊躇無く俺は俺の部屋へと行く。ドアを開くとやはり彼女はそこで待っていた。少しの安心を胸に、リビングへと足を運ぶ。

「イリア、ただいま」

「ん、おかえり」

イリアは俺にテレビを見ながら素っ気無く言った。ネクタイを外して鞄とともにソファに放る。彼女はキッチンへと向かい作ってあったスープを温めなおす。

「今日、別れてきた」

「ふぅん、そう」

「そろそろ、落ち着きたい」

「ふぅん、そう。良い人見つかると良いわね」

鍋の中の物を温めながら、彼女は俺に素っ気無く言った。彼女とは既に別れるタイミングを見失って一緒に居るという関係にある。彼女はきちんと別れるまで俺と一緒に居てくれる。実際、俺は彼女が一番好きだ。ただ、25歳になってもハグ以上の関係になれない。つまり、彼女とは付き合い始めて8年になるがキスすらした事が無い。飄々としている彼女は付け入る隙を俺に与えない。だが俺は男だから、そういう関係も欲しくなり浮気をしてきた。彼女に隠すことなく。彼女は興味ないという風に、それを怒る事無くスルーしてきた。至極悔しいが、俺もそれを放ってきた。つまり、俺と彼女の間には既に嫉妬も愛も存在しないという事だ。

「なあ」

「私は嫌よ、他の人探しなさい」

ぐるりと背後から腕を回して抱き締めても彼女は動じる事無く料理を続ける。本当にこれで終わりなのかと思うと、少し切ない。

「幸せにする」

「本当かしら」

「絶対」

「嘘」

「もう浮気しない」

「浮気してる時点で可笑しいと思う」

「そうだな、悪かった」

「うん、そうね」

「もう一度、付き合いなおしてくれないか」

「良いよ、最後のチャンスをあげる」

彼女はくすりと笑った。久し振りに見た彼女の笑顔がやけに愛おしくて彼女の額に初めてキスをした。一瞬幸せそうに彼女は微笑んだ。それを俺は見過ごさなかった。本心から溢れた笑顔は、多分付き合う前に見たっきりだった。

「チャンスか」

「うん、半年付き合って私が幸せだと思ったら婚約してあげる」

「解った」

本当に俺が理解できたかどうかは別として、取り敢えずもう浮気なんて止めようと思った。

浮気、だめ、絶対
(じゃあ取り敢えずベッドインで)(それは結婚してからね)

本当に意味の解らない感じになってしまいましたすみません@薄雲

20110719


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