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アメリカンな映画。当然そこには愛がある。で、死にそうなのにキスシーン。
何でこの場面?という疑問を浮かべながら私は机にあるチョコレート菓子に手を伸ばした。脳内に浮かぶのは疑問、疑問、疑問。このヒーローは正義で、ヒロインはスパイじゃなかったかしら、と改装する。確か、そうだった。そんな事をぐるぐる考えながらまらチョコレート菓子の袋に手を伸ばした。その序でに、チラリと彼の顔を覗いた。相変わらず無表情だなあと思いながらチョコレート菓子が終わっている事に気付き、袋の中の粉を口に流し込んだ。

「おい」

話しかけられた。

「なあに」

「これはどうしてこういう状況に陥った?もともとこいつらは敵同士だろう?」

「うん、そうだね」

「女の情がうつったのか?」

「うん、そうだね」

「……ふむ」

何こんな映画真面目に見ちゃってるんですかウルキオラさん。ってうわあ、ヒーローもヒロインも血みどろでハグしてるよ。本当にこの映画何が起こったんだ!と、オレンジジュースを飲む。もっと清く正しく美しい清潔感のある映画見れば良かったなあと今頃後悔。でもなあ。アクションも見たいんだよね。

「ウルキオラー。暇」

「俺もだが」

「映画暇!」

「そうだな」

「そういえば私達付き合い始めて何年だっけ?」

「半年」

「長かったなあ」

「俺にとっては短いが、それに」

彼は何かを言いかけて止めた。止める必要なんか、どこにもないのに。ねえウルキオラさんやい。何があったの。何が言いたいの?言って御覧なさいな。

「なあに」

「いや、良い」

何だいウルキオラさん。それはずるくないかな。言いかけて止めるとか。それってまさか別れ話とか?私が嫌いになったとか?ああ、そうだね。ウルキオラさんと私はタイプ全然違うもんね。ウルキオラさんの心に手が届かないや。ねえ、ウルキオラさん、何を言いかけたの。隠し事なんてやめよーよ。教えて欲しいな。

「教えてよ」

「……」

揺さぶってみた。無反応。何を言いかけたのか、教えてはくれない。ねえ、ウルキオラさーん。

傷つけるわけにはいかない
(ねえ、ウルキオラさん。教えてよ)
(後少し、せめてもう一年待たせてくれ)

多分チョコレート菓子が無くなった時に書いたやつ@薄雲

20110708


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