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5時。放課後。通常なら帰宅途中の時間。私は藍染先生に現国を教えてもらっていた。というのも、前回のテストで文系科目の全滅があったのだ。英語、国語。その二つの点数をどうにか上げようと質問に行くと藍染先生は快く引き受けてくれた。優しいなあ。心が広いなあ。と思いながら放課後、教室の机に向かっていた。解らないところも、受験に関係ある重要なところも、全て苦手を殺していくように解りやすく教えてくれた。なんて、良い人なのだろう。と心底思う。

「先生」

「?」

「私、明日も教えてもらいたいです。えっと、国語」

「解った、明日もこの時間にここで」

藍染先生はにっこりと微笑んだ。その笑顔が私の勉強意欲に対してではなく、恋しさに対してならどれだけ良かったか。私は先生にそんなふうに思ってもらうことなんて不可能だと思いながらやっぱりシャープペンシルで文章問題を解く。藍染先生は、上から笑って私のノートを見守った。

ある放課後

破姫様へ@薄雲

20110704


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