0118
本当に、何考えてるか解らないよな。
何にも言わないし、表情変えないし。
ちょっとぐらい笑ってくれても良いんじゃないかな。
あ、良い事思いついた。くすぐってやろうじゃないか。うん、それが良い。それならきっと笑うもの。
「誰が誰をくすぐるんだ」
「げっ」
「その言葉は何だ。そして表情は何を表している」
「いえ、何も」
本当に本音言ってくれない。口を開けば見たままの事を話して。これじゃあ会話にならないじゃないか。絶対前世とか酷い人間だったに違いない。虚無でしょ?それなら多分彼女に振られて自殺したとかだ。その理由が会話にならないだ。絶対そうだ。それに強い衝撃を受けて会社辞めてニートになって親に見離されて気付いたら自殺してたとかそういうノリだ。それ以外ありえない。うん。
「誰がニートだ」
「ぐぇっ!聞こえてたか!」
「もろ口から出てる」
「い、いやん!乙女の心を読むとはプライバシーの無い男だね!」
「気色悪い」
「そ、そんな…、乙女を気色悪いですか」
「ああ」
「ぐぅっ…、何て男…。破面(アランカル)失格ですね」
「貴様がな」
「む、むぅ。そうですね」
この男…。本当に読めない。
笑わせるなんて無理か…。
そう思いながらウルキオラ様の方をちらりと見ると、彼は「無理に決まっているだろう」的な視線を私に向けてきた。
こうなったら本当にくすぐってやる。
そう思いながらウルキオラ様に迫ってみると「フッ」と鼻で笑って奥へ向いた。
あれ、今笑った?
本音/嘲笑う@薄雲
20110619
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!