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0117
貴女の元へ行って抱きしめたいのに動けない。現在五体満足傷一つ無い俺の体躯。何故君を抱きしめられないのだろう。それ以前に何故動けないのだろう。苦しくないのに、痛くないのに、俺は微動だに動けない、口すら動かない。早く、貴女をこの腕で抱きしめたい。

「っ」

悪い夢から覚めた。気分は最悪だった。特有の髪をガシガシとかきながらベッドから出て着替える。髪のセットをし、腰に愛刀をさして自宮を出て堂々と歩きながら彼女を探す。見当たらない。霊圧も感じられない。任務だろうかとぼやきながらぼうっと廊下を歩く。長い廊下の先にウルキオラとノイトラがまたもめていた。だがそれすらもう気にかからなかった。どうでもいいなどと思いながら藍染のもとへ行く。そういえば昨日、明日の朝目覚めたら私のところへ来なさいなどと言っていた気がする。部屋の前まで行きノックもせずに部屋に入った。急な任務らしく今すぐ現世へ行かなければならないらしい。面倒くせえが行かなければならない。部屋を出る時に俺は藍染に問うた。

「アイツは?」

「ああ、イリアなら休暇をやった。今頃現世で寛いでいる」

「どういう事だ」

「彼女、昨日から現世に行っているんだ」

俺にも言わずに行くってどういう事だよ、とイラつきながら俺は藍染の部屋を荒々しく出た。そして意味の解らないまま現世に急いだ。嫌な予感がしたのは言うまでもない。

動けない/挫折しました@薄雲

20110617


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