0116
※夫婦パロ
「ただいま」
金曜日、仕事を終わらせてマンションの鍵を開け玄関でそう言ったがいつもはある「おかえりなさい」が聴こえず不審に思った。俺は奥の方へいつものように行った。電気がついていない。何の音も聞こえない。俺はリビングの電気をつけた。すると俺の妻ことイリアはソファの上ですやすやと気持ち良さそうに眠っていた。このところ俺の仕事が忙しく帰りが遅いため家事を手伝ってやれなかったのが理由だろう。彼女は容量が悪いから料理も掃除も遅い。だからかもしれない。少し悪い事をしたな、と思いながら上着を脱いでハンガーにかける。起こすのも悪いななんて思いながら適当な服に着替えて料理をすることにした。だが冷蔵庫の中にはあまり物が入っていない。そういえばこの頃買い物にも一緒に行ってやれなかった。本当に俺から結婚を申し込んだくせに家事に貢献できてないと思うと歯痒い。大雑把な料理を二人分。美味いかどうかは解らないが一つにラップをしてもう一つを黙々と食べた。その後シャワーを浴びてパジャマに着替えたがそれでも彼女は起きない。いつから眠っていたのだろうか。そう考えながら彼女をソファから持ち上げるとベッドの真ん中に放り込んだ。それでも起きない。熟睡にも程がある。
「疲れたか。悪ぃな」
そう言って彼女の頭を撫でてやる。
「明日はどっか連れてってやるよ」
どうせ土曜日だ、と思いながら俺はそのまま隣で眠った。
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(睡眠不足はダメですよ)
双六様のみご意見受け付けます@薄雲
20110616
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