0114
※遊び人グリムジョーとノイトラの彼女ヒロインです。苦手な方はUターンを。
「最低…っ!」
乾いた音が響いた。
赤くなる頬。痛い。
「もう逢いたくない!」
血の味がする。口の中が切れたらしい。
「俺もテメーになんか逢いたくないな。大体、テメーは最初から遊びだっつってただろーが」
「っ!もう本当に、大嫌いっ!」
彼女はヒールをならして部屋を出て行った。
残り香が臭い。
俺はベッドに寝そべる。
その時携帯電話が鳴った。
それを手にとる。
『着信中:イリア』という表示。
「はい」
『もしもし?グリムジョー?今どこ?』
彼女の声が聞こえる。
先程の安っぽい女の声ではなく、やたらと無邪気な声。
「……別に」
『あ!解った。まーた女の人のとこでしょー?もう、遊びすぎはいけないよ!』
誰のせいだよ。
なんて人に罪を擦り付けるような言葉を心の中で呟きながら俺は寝返りをうった。
「テメーは母親かっ!」
『だって心配じゃないか!仲良しのグリムジョーがいつまでもフラフラしてたら!』
「るせー」
『五月蝿くないもん。とにかくさ、早く帰っておいでよ』
「それはノイトラに言う台詞だろ」
『ああそっか。じゃあ私の家に遊びに来なよ。今ね、ノイトラと二人なんだけどノイトラはテレビゲームに夢中だし面白くないの。ほら、どうせお隣さんだし、ね?』
二人って、二人きりって意味かよ。
自慢ですか。
余裕なこった。
「いかねーよ」
『全然邪魔じゃないから、ね』
「鬱陶しい、ガキは嫌ーなんだよ」
『ほうほう、大人の女が好きだと』
「おう」
『私は大人っぽくないと?』
「おう」
『どうせネリエルみたくないですよ!』
「おう」
『そこ頷いちゃうんですか』
「おう」
『最低』
なんかさっきも言われたな。
「ガキ体型でグチグチ言ってんじゃねーよ」
『うわあああん!』
「うるせー」
『ノイトラああ!グリムジョーが虐めるよ!』
携帯の奥でガシャンという可笑しな音がして通話が切れた。
多分、携帯を床へ落としたのだろう。
それにしても、ムカツク。
最後にノイトラに頼ったところなんて特にな。
call
(切れた)
電話だけってどんだけ手抜きおい@薄雲
20110614
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!