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可笑しいとか馬鹿馬鹿しいんじゃなくて難解で滑稽で狂った感情を俺は抱く。恋情と言うより愛情と言った方が割に合う感情を彼女にぶつけたいと思うのはただの本能でそこに殆ど思いやりはない。その時は甘ったるく感じる時間が後々苦々しい時間だったと俺は気付く。気付いた時にはもう遅く、鮮やかな花を彼女の首筋に残した事を俺は後悔する。だって印をつけたところで彼女の心は手に入らず、遠ざかっていくだけだから。

「だから俺はテメーが嫌いなんだよ」

そして愛している。

「嫌い?」

彼女は怪訝そうな表情を俺に見せる。

「ああそうだ」

俺は冷たく言い放つ。

「……」

急に黙り込んだ彼女を俺は抱きしめる事が出来なかった。

どうせ心は手に入らない。

ならいっそ、俺を憎んで死ね。

手に入れたい/まさかね@薄雲

20110612


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