0109
※マイナスの数字をもつヒロイン。僕っ子。
「マイナスがプラスに勝てるわけねーよ」
「それでも僕はグリムジョーに勝ちたいんだよ。僕はグリムジョーに認識してほしいからね」
思考回路が可笑しい。
マイナスの数字。可能性の数字。無駄の数字。無くなった数字。数えられない数字。
彼女は決してプラスにはなれないマイナス。
だからと言ってマイナス思考ではない。
ただ、プラスではないのだ。
「俺と本気で戦いたい?」
「そうですよ。本気が良いです。とっておきの最高を僕にプレゼントしてください。全部マイナスとして返してやります」
「できると思ってんのか?」
「いえ、全く」
「それなのにやるのか?」
「マイナスだからプラスに勝って、それで藍染様に認めてもらいたいんです。マイナスの数字でも、プラスに勝てるって」
「6とマイナスか、面白ぇ」
「ええ、僕はプラス6になんか負けません。だから勝ちます。勝って、認めてもらいます」
認めてもらうことしか考えていない彼女。
それよりも大切な事があることを知らない。
虚しい。
ただ虚しい。
こんなにも、俺を虚しくする。
マイナスの影響なのか、性格の影響なのか。
俺にはこんなに虚しい心を持てない。
「それで、勝てば何がある」
「従属官になります。グリムジョーの従属官。それでいっぱい働きます。なんでもします。言う事全部聞きます。それだけです」
「じゃあお前が勝ったら俺は何を払う?」
「6、6が良いです。その6を僕にください」
「良い。絶対的な確率でお前は勝てないからな」
「やってみないと解りません」
「やってみなくても解るからマイナスなんだろ。それより」
「何ですか」
「もしも勝ったら従属官も良いが、まずお前の感情論を聞かせてもらおう」
「仰せのままに」
「そりゃ良い」
だからせめて教えてほしい。
お前のその真っ赤な心臓に。
愛という名の赤色の血液が。
流れているのかという事を。
流れてませんじゃあ困るな。
マイナスを愛してるなんて。
最悪最低な最強の王だよな。
マイナス
(それじゃあ殺し合いを始めよう)
(ゲームスタート)
マイナスの番号を持つヒロインを書いてみたかった@薄雲
20110610
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